やはりギーク向け端末か
本体は4.7インチのディスプレイで、横幅、厚みともそれなりにある。片手操作ができないほどではないが、やや苦しい場面もありそう。反面、Webサイトの閲覧や動画視聴など、大画面を生かしたサービスの利用には向いている。
Fx0は、田中社長が「ギーク向け」と強調し、開発者に特に利用してもらいたいという位置づけの端末で、一般ユーザーにとっては少々敷居が高い。動作は十分快適だし、メールやWebサイトの閲覧、Twitter、Facebook、LINEのSNSアプリ、YouTubeアプリ、経路案内のNAVITIMEと、普段使いが可能なアプリもインストールされているが、やはりまだアプリが足りない。
KDDIとしても、まずは開発者に使ってもらってアプリの拡充を図りたい考え。Webアプリの作法で開発ができるため、開発できる人の数も多く、これまで開発経験がない人でも比較的開発がしやすくなることもアピールするが、すぐにアプリが充実するのは難しそう。
無線LANテザリング、GPS、緊急速報メール、EZwebドメインのメールには対応しているが、KDDI独自アプリやサービスもほとんどインストールされておらず、Web、メール、SNSといったシンプルな用途には向いている。もともと、低価格Firefox OSスマートフォンもそうしたシンプルな位置づけであり、そういう使い方をしたい人にも向いていると感じた。
Fx0向けには、MNPを含む新規契約で2GBまでのデータ容量が含まれる最安プランで月額3,800円という料金プランも新設されている。田中社長は2台目のスマートフォンとして購入するギーク向け、という説明だったが、通常より価格も安くなるため、その点でもシンプルな用途のユーザーには向いているだろう。
とはいえ、新しいOSを採用したスマートフォンで、身近に利用者も少なく、情報も多くはないので、やはり「初心者」が無理に購入するのはお勧めしない。Firefox OSでの開発をしてみたい開発者、ちょっと毛色の違うスマートフォンを使いたいスマートフォンに慣れた人辺りがターゲットになるだろうし、そうした人には悪くない選択肢に感じた。