Chromeオンリーだが快適な使い心地
Chromebookは、簡単にいえばChromeブラウザしか使えないマシンだ。WindowsでChromeを利用している感覚に非常に近く、必要なアプリは「Chromeウェブストア」から追加するというのも同じだ。標準で「Gmail」やオフィスアプリケーションの「Googleドキュメント」、「Googleスプレッドシート」といったものが用意されているが、どれもブラウザ上で起動することになる。
利用にあたっては、Googleアカウントと無線LAN環境がほぼ必須となる。アカウントを登録せずにゲスト扱いで利用することは可能だし、オフラインでもある程度は作業することもできるが、データの保管場所はクラウド上だ。Chromebookの実力をきちんと発揮させるためには、ネットワークに接続しておきたい。
このようにWindowsとは違う動きをするマシンだが、Windows PCが普通に使えている人なら特に困ることなく利用できるだろう。本体内にはヘルプやキーボードショートカットのガイドなども用意されており、すべてがきちんと日本語で読める。最初こそ多少とまどうが、すぐに慣れて快適に利用できるだろう。
実際に使って見ると、普段からクラウドサービスを活用しているなら、不自由を感じないといったところだ。簡単な写真の加工や動画鑑賞、メールといった作業は普通にできてしまう。
ハードウェアスペックからは考えられない迅速な挙動と快適さ
Chromebookは動作が軽快なことも大きなポイントだが、Chromebook 11を実際に使うと、そのキビキビとした動きに驚かされるほどだ。アカウントをセットアップした状態で、電源ボタンを押してからパスワード入力画面が表示されるまでは7秒程度。さらにシャットダウン操作から画面が暗くなるまでは、1.5秒程度と圧倒的に速い。
そしてChromebookは、この快速状態のまま使い続けられる可能性が高いというのも魅力だ。アプリケーションはChromeの中に入るものだけなので、いろいろなアプリケーションをインストールしたせいで起動時の読み込みが多くなり、動きが重くなるというWindowsにありがちな状態にはなりづらい。
これだけ快適なマシンだが、その構成はCPUにCeleron 2955Uを搭載し、4GBのメモリと16GBのSSDという比較的軽いもの。ラインアップにはメモリが2GBのモデルも用意されているから試用機は上位モデルということになるが、それでも販売価格は38,980円(税別、送料込)と手頃だ。
Chromebookのベンチマークは基準がわかりづらいが、ここでは「Octane 2.0」と「PEACEKEEPER」の結果を紹介しておこう。いずれもブラウザの性能評価を行うものだが、十分に高いスコアが出ている。
もう1つのChromebookの特徴であるロングバッテリーについては、輝度を標準状態のままでBluetoothをオフにし、無線LAN接続でニコニコ動画のループ再生を実行してみたところ、「4時間41分26秒」利用することができた。Chromebookとして特別に長いわけではないが、モバイル端末としては十分な成績といえるだろう。
バッテリー残量が少なくなるとアラートが表示されるのだが、保存先がオンラインストレージだから保存のボタンさえ押せば問題ないし、バッテリーが切れてしまったあともアダプタをつなげばすぐに再起動できる。そして開いていたサイトなどは、そのままの状態で再起動するので、作業中にバッテリーが少なくなった場合にも対応しやすい。
「安価な端末で最低限の作業をしよう」というコンセプトは数年前のネットブックが思い出される。最低限の作業はこなせるがユーザーの我慢もかなり必要だったネットブックに対して、Chromebook 11は非常に快適に利用できるのが特徴だ。使い慣れたWindowsアプリケーションがどうしても手放せない、オフライン環境でだけ作業がしたい、というような使い方には向かないが、オンラインサービスを活用したい人にとっては、とても良い端末に仕上がっている。
Chromebook 11 | |
Intel Celeron 2955U (1.40GHz) | |
DDR3L 4GB | |
Intel HD Graphics | |
11.6型液晶 (1,366×768ドット) | |
16GB SSD | |
非搭載 | |
IEEE802.11a/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0 | |
W294×D200×H25mm/約1.32kg | |
最大10時間 | |
Chrome OS | |
38,980円(税別、送料込) |