ブース内にコンビニエンスストアが設営される

一方の技術展示では、パナソニックが環境戦略において、差異化技術のひとつに位置づける「CO2冷媒技術」を紹介する。ここではブース内にコンビニエンスストアを設営。来場者に驚きを与えそうだ。

パナソニックでは、CO2冷媒を採用したノンフロン冷凍機システムを製品化。省エネ性では、HFC冷媒に対して、冷凍機器で25.4%削減、冷蔵機器で16.2%削減できる点が特徴だ。2014年度には400店舗のコンビニエンスストアやスーパーへの導入が見込まれており、同社の成長事業のひとつになっている。

ブースでは、CO2冷媒を採用したノンフロン冷凍機システムのほか、天井カセット形空調機、LED照明、業務用電子レンジ、コーヒーディスペンサーなども展示。コンビニエンスストア全体をパナソニック製品で制御することで、高い省エネ性能を実現できるという提案も行っていく。

技術展示でのもうひとつの目玉が、光触媒水浄化技術だ。

同技術は2010年から開発に着手し、インドで2013年10月から実証実験を開始している。今後は、新興国などにおける水浄化に活用されることになりそうだ。

新構造の光触媒粒子が水中に分散。従来の固定型光触媒に比べて、最大100倍の反応速度で、地下水などに含まれるヒ素や六価クロムなどの有害金属や難分解性有機物を無毒化し、水浄化を高速処理することができるというものだ。

同社では、「地下水などに含まれ除去が難しかった有害金属などを、最大99.99%無毒化できるため、従来困難であった地下水源を、新たな飲料水源として活用できる」と、その優位性を説明。また、「光触媒と太陽光に含まれる紫外線だけで水を浄化するため、塩素や薬剤などを利用する方法と比較して、環境負荷もない」とコメントしている。

今後のパナソニックへの期待を持ってもらえる取り組みを続ける

さらに、資源循環の取り組みについても展示。パナソニックのリサイクル拠点であるパナソニック エコテクノロジーセンターで採用しているポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)を純度99.0%以上の精度で選別する高精度樹脂選別システムや、廃棄される家電から鉄を回収し、鋼板に再加工し、家電製品の原材料として再利用するランナーリサイクルなどについても展示する。

なお、これらの技術については、パナソニックの技術者がセミナーを通じて直接説明。専門的な質問に答える場も用意することで、関係者への理解を深める考えだ。

そのほか、セミナーでは、11カテゴリーにおいて38講座を用意。宇宙飛行士の山崎直子さん、気象予報士の木原実さん、沼津港深海水族館の石垣幸二館長も講師として登壇。「宇宙、気象、海洋というように地球規模の観点から、環境に関する理解を深めてもらうことも考えている」(下野主幹)とした。

パナソニックの名倉誠室長は、「パナソニックが環境問題に前向きに取り組んでいることを理解してもらうとともに、今後のパナソニックに期待したいと思ってもらえるような取り組みを続けたい」としている。