シリーズ9は、その点、異なる役割を担った2枚のトリマーの連動によってヒゲを剃りやすい状態に整えてくれるため、何度も何度も肌の上で刃を往復させることなく、ワンストロークで効果的に剃れる。まさしく“肌へのやさしさ”と“深剃り”を両立した、究極のシェーバーといえるだろう。もちろん短い時間でシェービングを済ませられるため、出勤前の忙しい朝の時短にもつながる。
“肌へのやさしさ”と“深剃り”の両要素の追求は、人工知能デュアル連動刃以外の各種技術にも支えられている。まずは「ターボ音波テクノロジー」。これは各人さまざまなヒゲの濃さに自動的に対応し、毎分1万回という音波の振動によって肌を震わせ、ワンストロークでより多くのヒゲをとらえられるようにする機能だ。ストロークが少なければ少ないほど、当然ながら肌への負担も少なくなることは言うまでもない。
また、人間の顔はカーブを描いているうえ、肌には場所により異なる微細な凹凸もある。シリーズ9では、そうした形状に合わせて可動するサスペンション機能「密着3Dヘッド」により、顔の曲面に応じてヘッドが密着してくれるので、無理に押し付けることなく手軽で効果的な深剃りを実現できるようになっているのだ。899パターンもの網目を持つ「ディープキャッチ網刃」も、イケズな方向に生えるくせヒゲを根元からきっちりカットするのに力を発揮する。
こうした多彩な技術によって、肌を気にする男子たちに訴求するシリーズ9だが、ブラウン製品として忘れてはならないポイントとしてはデザインもある。ブラウンは、同社のデザインの祖といわれるディーター・ラムス以来、機能とデザインの融合を常に追求してきた。その姿勢はアップルのiPodなどをはじめ、さまざまな家電製品にも大きな影響を与え続けている。
シリーズ9においても、同社の“Strength of Pure”というデザイン哲学のもと、高機能をさらに使いやすくするためのデザインが随所に見られている。手になじむエルゴノミックなフォルムはとにかくホールド感がよい。66×168×44mm・210gの本体サイズも、しばらくカミソリに慣れていた身からすれば最初はやや大ぶりに感じたが、実際に使っていると安心のできるサイズで、ホールド感をさらに高めてくれる印象に変わった。なお、初めて使用したときは駆動時の振動が若干気になったが、これは前述したターボ音波テクノロジーによるもので、使っているうちにすぐに慣れた。また、専用のクリーン&リニューシステムと洗浄液が付属し、充電しながらヘッドの洗浄や除菌(※)などが行えるのもうれしいところ。もはや、かつて愛用していたカミソリはいっさい手に取らず、シリーズ9のみを使い続けている今日この頃だ。
“肌へのやさしさ”と“深剃り”は、たしかに矛盾する要素である。しかしながら相反した双方を求めたくなるのが、ユーザーのワガママというもの。ブラウンのシリーズ9は、ワンストロークで効率よく深剃りできる一方で、肌へのやさしさも実現し、ユーザーたちのそのワガママにしっかりと応えてくれる。さすがは電動シェーバー業界で60年以上の歴史を誇るブラウンだ。
※ 試験期間:INSTITUT FRESENIUS、試験方法:アルコール洗浄システム後の刃部の除菌率を測定、試験結果:99%の除菌率