4K(3840×2160)液晶が実現するデスクトップ領域

NEXTGEAR-NOTE i5701PA1」が備える3840×2160という表示領域は、15.6型というサイズにおいては100%ネイティブ表示で使用することは難しいだろう。なぜなら、とてつもなく各インタフェースや文字などが小さくなってしまうからだ。そのため本機では、表示が250%(超特大)に初期設定されている。これは高い解像度のまま精細感を得るために使用している状態なので、文字などはエッジが目立たずとても滑らかだ。もし表示領域を拡大する方向で高解像度を利用したいのであれば、[コントロールパネル]の[デスクトップのカスタマイズ]にある[ディスプレイ]項目の[テキストやその他の項目の大きさの変更]から、拡大率を変更するといいだろう。なお、すべての項目を一括して変更するだけでなく、タイトルバーやメニュー、Internet Explorerなど、それぞれを個別にサイズ変更することも可能。100%、150%、250%それぞれのデスクトップ画面をキャプチャしたので参考にしてほしい。

[テキストやその他の項目の大きさの変更]項目から、デスクトップの拡大率を変更できる。初期状態は「超特大」の250%

拡大率を変更したデスクトップとInternet Explorer。左から100%、150%、250%となる

「NEXTGEAR-NOTE i5701PA1」の性能をベンチマークでチェック!

それでは、ベンチマークテストで本機の性能を確認していこう。まずは全体的な性能からだ。Windowsシステム評価ツール「WinSAT」でのWindowsエクスペリエンス インデックス スコア測定の結果はご覧の通りで、文句の付けどころがない。特にプライマリディスクの「8.4」は、現在最高峰のスコアだろう。グラフィックスの2項目はCPU内蔵グラフィックスを利用しているため伸び悩んでいるものの、GeForce GTX 970Mの性能はこのあとのゲームベンチで明らかになるはずだ。ストレージ用ベンチマークソフト「CrystalDiskMark」でのSSDとHDDの測定結果もストレージごとの違いが色濃く出ている。PCI-Express接続されたSSDの速度は圧巻としかいいようがない。メインドライブの転送速度の違いは、体感速度に大きな影響を与える。HDDのみを搭載したブロンズモデルを検討している方は、この数値をよく確認しておいてほしい。

Windowsエクスペリエンス インデックス スコア
プロセッサ 8.2
メモリ 8.2
グラフィックス 5.9
ゲーム用グラフィックス 5.6
プライマリディスク 8.4

CrystalDiskMark 3.0.3によるSSDのベンチマーク結果

CrystalDiskMark 3.0.3によるHDDのベンチマーク結果

さらに「PCMark8」にて総合的なパフォーマンスを測ってみよう。こちらの結果もまったく不満を感じないもので、非常に良好だ。こちらでもCasual GamingはCPU内蔵グラフィックスによって計測されているため振るわないが、そのほかの項目はいずれも速い。ホーム&オフィス用途での使用では、高い処理能力と解像度を活かした、さまざまな使い方が期待できそうだ。

Futuremark PCMark8 Home accelerated 3.0
Your Home accelerated 3.0 Score 3095
Web Browsing - JunglePin 0.389 s
Web Browsing - Amazonia 0.167 s
Writing 7.24 s
Photo Editing v2 0.190 s
Video Chat v2 / Video Chat playback 1 v2 30.0 fps
Video Chat v2 / Video Chat encoding v2 33.0 ms
Casual Gaming 27.6 fps
Benchmark duration 39min 32s

GeForce GTX 970Mの3Dグラフィックス処理能力を確認

次に、NVIDIA GeForce GTX 970Mが備える3Dグラフィックス処理能力を、解像度を変えつつチェックしてみよう。まずはFuturemarkの3Dグラフィックス向け定番ベンチマーク「3DMark」。こちらには2014年10月13日に4K解像度に対応した新たなプリセット「Fire Strike Ultra」が追加されたので、そちらも試していくことにする。結果は大変優秀だ。「7434」というスコアは、2世代前のデスクトップ向けハイエンドGPU・GeForce GTX 680をも超えるスコアとなっており、まさに世代が変わったという印象を受ける。Ultraの結果はさすがに厳しいものの、GeForce GTX 970Mの備える処理能力に疑いの余地はない。

Futuremark 3DMARK
項目 Fire Strike
1.1
Fire Strike
Extreme 1.1
Fire Strike
Ultra 1.1
3DMark Score 6479 3285 1645
Graphics Score 7434 3399 1586
Physics Score 8703 8730 8616
Combined Score 2762 1502 852
Graphics Test 1 35.69 fps 17.55 fps 8.74 fps
Graphics Test 2 29.54 fps 12.76 fps 5.70 fps
Physics Test 27.63 fps 27.71 fps 27.35 fps
Combined Test 12.85 fps 6.99 fps 3.96 fps

続いてゲームのベンチマークテストを試していこう。まずは指輪物語を題材にした大作アクションRPG「ミドルアース:シャドウ・オブ・モルドール」のベンチマークだ。最新の3Dゲームだけにその負荷は高いが、ある程度の設定とフルHD(1920×1080)までの解像度ならば、余裕を持って動かすことが可能だった。デスクトップPCでも高設定では動かすのが大変なタイトルだけに、この結果はすばらしい。それ以上の高解像度ではやはり要求水準が高く、現状は快適とはいいがたい。

ミドルアース:シャドウ・オブ・モルドールのベンチマークテスト
設定 最小FPS 最大FPS 平均FPS
1280×720【High】 27.32 289.28 64.77
1920×1080【High】 24.16 184.00 56.78
2560×1440【High】 16.63 101.23 36.32
3840×2160【High】 10.49 69.57 19.28
1280×720【Very High】 34.01 299.16 58.19
1920×1080【Very High】 22.88 188.41 49.27
2560×1440【Very High】 15.96 71.15 35.80
3840×2160【Very High】 8.32 78.47 19.03

それでは、髪の毛の描画にこだわったアクションタイトル「トゥームレイダー」のベンチマークテストではどうだろうか。こちらも傾向としては同じで、フルHDまでなら設定を上げてもしっかりと遊ぶことが可能。しかし、やはり4K解像度では処理能力が追いつかないようだ。

トゥームレイダーのベンチマークテスト
設定 最小FPS 最大FPS 平均FPS
1280×720【High】 112.0 122.0 119.8
1280×720【Ultimate】 56.0 72.0 61.1
1920×1080【High】 58.0 90.0 75.1
1920×1080【Ultimate】 33.9 58.0 45.7
3840×2160【High】 29.1 38.8 33.9
3840×2160【Ultimate】 12.0 18.0 15.9

最後に、拡張パック「蒼天のイシュガルド」が発表され、話題再燃中の国産MMORPGタイトル「ファイナルファンタジーXIV」のベンチマーク、キャラクター編を試そう。こちらのベンチマークでは、4K解像度でもなんとか遊べそうなスコアが確認できた。今となっては中程度の負荷のタイトルではあるものの、ノートPCでここまで動作させることができるのは驚きの一言だ。

ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編
設定 スコア 評価
1280×720【標準品質(ノートPC)】 17343 非常に快適
1920×1080【標準品質(ノートPC)】 12184 非常に快適
3840×2160【標準品質(ノートPC)】 3808 快適
1280×720【高品質(ノートPC)】 15543 非常に快適
1920×1080【高品質(ノートPC)】 9442 非常に快適
3840×2160【高品質(ノートPC)】 2844 やや快適

なおゲーム全般にいえることではあるが、インタフェースサイズを変更できないゲームで解像度を4Kに設定すると、各インタフェースが小さくなりすぎ、ゲームにならない場合が多い。ゲーム側の対応もまだまだ4Kに及んでいないのが現状なのだ。今回は3K、4Kという高解像度テストも行ったが、この解像度に対応できないのは今のところ当たり前。また、そもそも本機のディスプレイサイズは15.6型なので、3DゲームにおいてフルHD以上の違いを視認するのは難しい。フルHDまでの解像度に対応できれば十分と考えておくといいだろう。

ちなみに、ゲーム中心の利用であれば、本機と同等のスペックでフルHDノングレア液晶を装備する「NEXTGEAR-NOTE i5700」シリーズも用意されている。こちらは13万円台(税別)~とよりリーズナブルに購入可能だ。

ハードウェアをコントロールできるツールをプリインストール

OSにはWindows 8.1 Update 1 64ビット版が採用されており、ハードウェアをコントロールするためのツールがいくつかプリインストールされている。1つはファンの速度や液晶の明るさなどをコントロールできる「Control Center」だ。Windowsキーの無効化なども行えるため、ゲームを遊ぶ方はチェックしておきたい。また「Sound Blaster X-Fi MB3」を利用したリッチなサウンドエフェクトも、ゲームの楽しさを引き上げてくれるだろう。さらにキーボードにアプリケーションの起動を割り当てたり、マクロを設定したりできる「FLEXIKEY」や、タッチパッドの設定をコントロールできる「Synaptics TouchPad」を搭載。自分好みの操作環境を構築することが可能だ。

ファン速度や液晶の輝度、左Windowsキー無効化などの設定が行える「Control Center」

音質調整や音声のサラウンド化、チャットボイスにエフェクトをかけるなどの効果を付与できる「Sound Blaster X-Fi MB3」

キーボードにアプリケーションの起動を設定したり、マクロを設定したりできるツール「FLEXIKEY」

デバイス設定からは、タッチパッドの動作を自分好みに調整できる「Synaptics TouchPad」にアクセスできる

高精細デスクトップを利用できるハイスペック・ゲーミングノート

QFHD(3840×2160)液晶ディスプレイを搭載しているという点だけでも特筆に値するが、さらにGPUにGeForce GTX 970Mを搭載することで、2014年最高クラスの3D処理能力を備えた「NEXTGEAR-NOTE i5701」シリーズ。そのプラチナモデルである「NEXTGEAR-NOTE i5701PA1」は、さらに大容量512GBのPCI-Express接続SSDも備えており、全方位でスキがない。この性能は、あらゆる処理において有効に働くことだろう。ノートPCでこの冬の注目タイトルを遊びたい人はもちろんのこと、4K解像度を活かした画像・映像処理を行う人にとっても、注目の一台となるはずだ。本年度の注目パーツの集大成となる本機で、2014年度を締めくくってみてはいかがだろうか。

※ここで紹介した各パーツは、今回試用した機種のものです。出荷時にメーカー、型番などが変わる可能性もあります。ご了承ください。

標準スペック

メーカー マウスコンピューター
型番 NEXTGEAR-NOTE i5701PA1
ディスプレイ 15.6型クアッドフルHDグレアIGZO液晶(3840×2160)
CPU インテル Core i7-4710HQ
メモリ 32GB PC3-12800 DDR3L SO-DIMM
SSD 512GB PLEXTOR M6e(M.2規格/PCI Express接続)
HDD 2TB SerialATAII
チップセット モバイル インテル HM87 Express
光学ドライブ
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 970M
OS Windows 8.1 64ビット
LAN ギガビット(10/100/1000)LAN、IEEE802.11 b/g/n対応無線LAN
インタフェース USB 3.0×4(左側面×1、右側面×2、背面×1)
※背面ポートはeSATAポートと共用
サイズ W385×D275×H27mm(折り畳み時)
重量 約2.5kg
バッテリー駆動時間 約4.1時間
価格 269,800円(税別)

上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。

価格・構成については、2014/11/25(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。