10月10日、サッカー元日本代表の北澤豪氏による特別講演「未来を拓く自己分析術~目標設定の大切さ~」が東京都・千代田区で行われた。講演会は、マイナビが開催した「しごと発見カレッジ」内で行われたもの。本レポートでは、北澤氏が特別講演で語った「目標設定の重要性」や自身のキャリアにまつわるエピソードなどを紹介する。

北澤豪
1968年生まれ、中学時代はジュニアユースに在籍、高校では全国高校サッカー選手権大会に出場した。高校卒業後は本田技研工業サッカー部、読売クラブ(現東京ヴェルディ)に在籍。日本代表としても多数の国際試合で活躍し、2003年現役引退。現在は日本サッカー協会理事、国際委員、広報委員、フットサル委員、FリーグCOO補佐、JICAオフィシャルサポーターとしてサッカーのさらなる発展・普及活動に努めている。

「やります」という姿勢を見せることの大切さ

学生の拍手に迎えられて登場した北澤氏は、就職活動で重要なのは「元気」「ポジティブさ」だと語る。

北澤氏「就職活動における大前提として、元気で健康であることは大切です。話す人がぼそぼそしゃべっていたら、聞く気がなくなりますよね? 『聞いてもらえる』環境を作るためには、元気に話す。それで初めて、ベストパフォーマンスができるのです」

就職活動では、面接官や先輩に自分のことを伝え、「一緒に働きたい」「うちの会社に入って欲しい」と思ってもらえることが重要。そのためにはまず話を聞いてもらわなくてはならない。自分の気持ちを100%伝えるには「元気であること」が大前提となるのである。

北澤氏「物事に積極的な姿勢で取り組むことも重要です。社会に出ると、『これやって』と言われるでしょう? 『苦手だからから』『やったことがないから』と断っていたら駄目なのです。得意じゃなくても『やります!』という人が求められます。サッカーでも『自分のやりたいことを押し通そう』という選手が多いんですよね。アドバイスを聞かない、受け入れようとしない選手。うまいかもしれないけど、苦手分野を小さく出来ないのです。その人をチームに入れても変わらないなら、『この選手はいらない』と言われてしまいます」

各人がやるべき仕事をこなしてチームで成果を出すという点では、サッカーチームも企業も同じ。北澤氏は、学生には「仕事に真剣に取り組む姿勢」「自分の役割を理解して動ける人」が求められているという。完璧にはできないから、苦手だからと敬遠するのではなく、「やってみよう」という意識を持ち、それをアピールしていくことが大切なのである。

「自己分析」と「コミュニケーション」の関係性

就職活動をする上で避けては通れないのが「自己分析」。そうはいっても「何のために行うのかがわからない」と悩んでいる学生も多いのではないだろうか。北澤氏は自己分析の重要性を次のように指摘する。

北澤氏「自己分析とは、自分のプラスとマイナスを見極めることです。そうすることで、会社というチームに入ったときにどういう戦力になれるか、自分の役割は何かを面接官が納得するように伝えられます。『コミュニケーション』というと、相手とのなめらかなやりとりが重要だと考えがちですが、自分を理解して初めて成立するものです。自分を知らなくては、相手のこと伝えたいことは理解できないでしょう? 自己分析とコミュニケーションには深い関係性があるんですよ」

北澤氏によると、コミュニケーションには「自分を理解すること」、つまり自己分析が不可欠である。「コミュニケーション能力が低いかも…」と悩んでいる人は、自分のことを振り返ってみるのも良いかもしれない。