"黄牛"だけを使用した牛バラ

牛のあばら骨まわりの牛バラ肉は、香港では「○(にくづきに南)」と書いて人気具材のひとつ。牛バラといっても、もちろん選び方ひとつで味の良し悪しが変わってくる。ここ「新仙清湯○(にくづきに南)カレー専門店」では、毎朝市場から届く"黄牛"と呼ばれる2~3歳の若い牛のみを使用。4~5歳になると肉が硬くなってしまうのだそうだ。様々な仕入れ先の肉を試した結果、脂身と赤身のバランスが完璧な肉にたどり着いた。

そして肝心なのが秘伝のスープ。ベースとなるコンソメスープは、12~13種類の牛、豚、鶏の骨を入れ、調味料とスパイスを混ぜ合わせたもの。漢方もどうやら入っているようだが、詳細は門外不出のためそこは内緒。12月には、中医学の先生がレシピを考案した漢方ベースのものやコンソメに貝を加えたスープも販売を予定しているそうだ。

「新仙清湯○(にくづきに南)カレー専門店」は最近、60~70年代のアパートをイメージしてリニューアル。店内は最寄りの油麻地の地下鉄をモチーフにしたモダンな空間になっている

客の約9割が注文する本格派カレー

店名からしてもカレーと麺の専門店をうたうほど本格味のカレースパイスは、本場インドで店のオリジナルブレンドを作ってもらっているという。5年以上かけて様々なスパイスを調合し、試行錯誤を繰り返しできあがった納得のレシピなんだとか。

辛さに加え香りも高く、またほんのり酸っぱさもあり、このバランスが他にない絶妙な味となっている。カレーのベースには、一般的なバターの代わりに5~6時間かけた牛バラの煮込み汁を使う。この絶品牛バラの煮込み汁からでる脂がカレーのうまみを引き上げてくれる。

牛バラカレー麺「金牌カレー牛○(にくづきに南)河」は42香港ドル(約640円)。かつてイギリス領だった香港には、同じくイギリス領だったインドからの移民も多く、カレーも人気メニューの一つ。パキスタンカレーなどのメニューもある

オーダーするとカレーとコンソメスープに入った麺が別皿で出てくるので、カレーを麺にかけていただく。お好みでご飯もオーダーできるのがこれまたうれしい。カレーの辛さは、小・中・大・超の4種類から、牛バラは1日限定20食の横隔膜の上の肉・崩沙をはじめ、4種類の牛バラが選べる。

左は1日限定20食の横隔膜の牛バラ「濃味崩沙○(にくづきに南)河」40香港ドル(約610円)。ちなみに、超有名店「九記牛○(にくづきに南)」や「○(金へんに廉)記」もここから仕入れているのだそう。右は4種の牛バラ盛りは88香港ドル(約1,340円)~

新仙清湯○(にくづきに南) カレー専門店(Sun Sin)(OpenRice掲載ページ)

※1香港ドル=15.2円で換算。記事中の価格・情報は2014年10月取材時のもの