珊瑚を守り育てる活動、楽しく、長く続けることが大切
チーム美らサンゴは2004年に活動をスタートし、2014年で10周年を迎えた。最初は一部の地元企業と本州の企業が資金を提供し、「珊瑚の白化を食い止めたい」というところから始まった取り組みだが、知名度が高まってきたことで、協賛する地元の企業も増えている。
珊瑚の植え付けは、チーム美らサンゴの発足当初から実施しており、珊瑚の養殖技術も確立されてきた。ダイビングのライセンスを持っていれば誰でも植え付け作業に参加できる。
また、ダイビングをやらない人、ライセンスを持っていない人でも、何らかのかたちで参加してみたいという要望が増えてきたことを受け、ノンダイバープログラムを新設。すでに紹介したように、植え付ける珊瑚の苗(プレート)を作ったり、植え付けの様子をシュノーケリングで海面から見たりと、活動の幅を広げている。珊瑚を植え付ける場所は、海面から3m~5mくらいの浅瀬で、海水の透明度も高いため、海面からでも十分に見えるのだ。
チーム美らサンゴの事務局に携わるANAの須藤誠氏は、次のように話す。「10年間、息の長い活動になって良かったです。『自然保護』というと志が高そうな印象になりがちですが、実際は楽しみながらやっています。参加者の皆さま方にも、楽しんで活動していただきたいですね。こうした活動は長くやっていくことが大切です。
沖縄の珊瑚といっても身近に感じられない方もいらっしゃると思いますが、沖縄の海や珊瑚はとても美しく、きれいなものが失われるのは残念で寂しいことです。皆さま方のいろいろな興味のなかに、珊瑚を入れていただけたら嬉しいですね。」
海や珊瑚を守ることを、自分なりに理解して伝えていきたい(𠮷澤ひとみさん)
モーニング娘。OG(第4代目リーダー)の𠮷澤ひとみさんは、2012年からチーム美らサンゴの活動に参加している。また、山形カシオのダイビング向け小型トランシーバー「ロゴシーズ」についても、開発段階から試用しているそうだ。
「チーム美らサンゴの活動は、ダイビングやダイビング雑誌の取材を通して知りました。所属事務所を通じて『協力していきましょう』ということになって、一緒に活動するようになっています。
はじめは珊瑚の養殖場を見学したり、珊瑚について勉強したりして、2012年に初めて珊瑚の植え付けを行いました。植え付け自体は3回やっていますが、海の中でも意外とスムーズにできましたね。もともと工具とかネジとか好きで、得意なんですよ(笑)。
自分で植え付けた珊瑚ではないんですが、過去に植え付けた珊瑚が大きくなって、ほかの珊瑚と一緒のカタマリになっていたところを見たら、すごく嬉しかったですね」(𠮷澤さん)。
「海の中で珊瑚苗のナットを締める姿かかっこよかったです!」(山形カシオの担当者)。
「ロゴシーズについては、ダイビング装備の1つとして役に立っています。これもダイビング雑誌の取材で『こんなのあるよ』と教えてもらって、ロゴシーズの試作機を使わせてもらいました。ところが、水の中でうまく聞こえなくて。ずっと耳元でピーピー鳴ってるんですよ」(𠮷澤さん)。
「その節はご迷惑をおかけしました…」(山形カシオの担当者)。
「最近はかなり進化して良くなったと聞いて、改めて使ってみたら、水の中でも本当にはっきりと相手の声が聞こえてきて驚きました。
話すほうはすぐに慣れましたね(編注:水中で呼吸するレギュレーターをくわえたままで話すのは難しい)。ダイビングを始めたころから、潜っていても一人でけっこうしゃべっていたので(笑)、ロゴシーズを使っていると、それが相手に伝わる嬉しさがありますね」(𠮷澤さん)。
「𠮷澤さんは本当に話すのが上手で、水の中でも言葉がはっきり聞こえました!」(山形カシオの担当者)。
「ダイビングで海に潜ると、誰もがハマってしまう魅力が海の中に眠っていると思うんです。自分の価値観や世界観が変わったり、新しい趣味と仲間ができるのも魅力です。最初は恐いですし、わくわくドキドキでスリリングですが、その先にはすばらしい感動があります。そして、ダイビングをより楽しく、安心できるものにする1つの道具として、ロゴシーズを使ってみてほしいですね。
それと、沖縄の海は世界でも有名なダイビングスポットです。すごくきれいな海や珊瑚をもっと大事にして、守っていかなきゃいけませんよね。チーム美らサンゴの活動を通して、それを自分なりに理解して、伝えて行きたいと思っています」(𠮷澤さん)。