生産性向上のための新機能「Work Chat」と「Context」
発表会では、今後新しく提供される機能も紹介された。そのひとつが「Work Chat」だ。
これは、Evernote内でユーザー同士がコミュニケーションをとることができるツール。たとえば、クラウドで共有されているノートにアクセスすると、そのノートを参照中のメンバーがアイコンで表示され、それをタップするだけで相手とチャットを開始することができる。チャット履歴は他のメンバーが閲覧することも可能。
リービン氏は「起業したばかりの20人くらいの規模の会社なら、同僚が何をしているかだいたい分かるし、デスクのそばを通りかかったときに立ち止まって2~3分意見交換してその場で意思決定することができる。大企業だとそれは困難。メールでスケジュール調整などしているうちに、意思決定がどんどん先送りされて生産性が落ちてしまう。Work Chatを使えば、まるで起業したばかりの小規模な企業のような円滑なコミュニケーションを実現できる」と、Work Chatのメリットを説明した。
もうひとつの新機能が「Context」だ。これは、作業中の内容に合わせて関連情報を自動的に探して表示してくれる機能。たとえば、ノートに文章を入力していると、その内容を解析してEvernote内の類似したノートや、関連したニュース記事、その情報に詳しい人物などを表示する。
ニュース記事の場合は記事内容を引用することができ、人物の場合は相手とWork Chatを使ってコミュニケーションをとることができる。
リービン氏は「我々が何かを書くとき、ほとんどの場合は元になる情報があるが、Contextはそれを探す手間を省いて生産性を高めることができるツール」とコメントした。ちなみに、新機能はいずれも10月に米国で開催された「Evernote Conference」で発表されたもので、今回日本でも導入される形となる。このうちWork Chatは来週から提供開始。Contextも2015年初頭から提供される。
日経との資本・業務提携 - 日経・野村氏「Evernoteとは共通の価値観持つ」
最後にパートナーシップに関する発表も行われた。Evernoteが日本経済新聞との資本・業務提携に合意し、日本経済新聞は米Evernoteへ2,000万ドルを出資する。
会場では日本経済新聞 常務取締役の野村裕知氏が登壇。「長期的な視点で事業を考えている点や、オフィスで働く人にとって本当に役立つ情報とは何かを真剣に考えている点など、Evernoteは私たちと共通の価値観を持っている」と提携に至った理由を説明した。
また、「ネットには膨大な情報があり、価値ある情報を探すのが困難。また、せっかくいい情報があっても、それを十分利用できないのが現状。価値ある情報を必要なときにより使いやすい形で届けるサービスが今ほど求められている時代はない」と語り、日経とEvernoteが今後資本面だけでなくコンテンツやプロダクトの技術的な面でも協力していくことを明らかにした。
先に紹介した「Context」機能も、まずは「日本経済新聞 電子版」(日経電子版)と連動する形で開始。例えば、Evernoteで業界レポートを作成している際、その業界に関連した日経電子版のニュース記事がEvernoteに配信される。一方、日経電子版で記事を閲覧する際は、記事内容と関連したEvernoteのノートが自動で表示される。
「伊藤園はIT OEN(IT応援)、クリエイティブをサポート」伊藤園・本庄氏
続いて、スポンサー企業の伊藤園 代表取締役副社長の本庄周介氏も登壇。
「Evernoteとは坐禅とITで世界の課題解決に挑む『ZEN HACK』や、お茶を通じてコミュニケーションを図りイノベーションを生み出す『茶ッカソン』などのイベントを実施してきた。伊藤園は『IT OEN(IT応援)』でもあり、今後もいろんなイベントでクリエイティブをサポートしていきたい」と語った。
なお、Evernoteと伊藤園は11月3日より「EVERNOTE & 伊藤園 クリエイティブサポートキャンペーン」を展開しており、「お~いお茶 玉露入り 旨」貼付のシールにしたがって応募することでスタイラスペン「JOT SCRIPT EVERNOTE EDITION」や、メガネ「JINS PC & ITOEN オリジナルグラス」、「EVERNOTE PREMIUM会員 6カ月分」などが抽選でプレゼントされる。詳しくは伊藤園のサイトを参照してほしい。