米Evernoteは11月10日、東京・渋谷のヒカリエホールにおいて、同社のクラウドサービス「Evernote」に関するプレスコンファレンスを開催した。
コンファレンスでは、Evernoteの生産性を高める新機能「Work Chat(ワークチャット)」および「Context(コンテキスト)」の紹介のほか、国内企業との資本・業務提携に関する発表が行われ、米Evernoteのフィル・リービンCEOらが新機能の特徴や提供背景、業務提携内容を説明した。
生産性を高める「ワークスペース」という考え方
発表会では、まず日本法人のジェネラルマネジャーを務める井上 健氏が登壇し、開会の挨拶を行った。続いて米EvernoteのCEO、フィル・リービン氏が登壇して「Evernote」の現況を説明した。
リービン氏によると、現在Evernoteのユーザーは世界で1億人を超えており、そのうち70%が仕事で使用しているとのこと。同氏は「Evernoteを通じて利用者の生産性をより高めるため、パートナー様とともに“新しい考え方”を追求している。それが“ワークスペース”という考え方。Evernoteは、利用者のワークスペースになるツールだ」と語った。
基本要素は「書く」「集める」「見つける」「発表する」
リービン氏は、企業などで日々行われている業務を「書く」、「集める」、「見つける」、「発表する」の4つに分類し、それらはEvernoteの基本的な要素でもあるとコメント。そのうち「発表する」に関する技術のひとつとして、プレミアム会員向けに提供している「プレゼンテーションモード 2.0」を紹介した。
これは、ボタンを1回押すだけでEvernote内のさまざまな情報を収集してプレゼン資料を作成できるというもの。作成した資料は、スライドのページ区切りや写真タイトル、補足説明などをあとから簡単に調整することができる。また、複数のノートをひとつのプレゼン資料にまとめることも可能。
リービン氏は「Evernoteなら、プレゼンのために改めて資料を作り起こす必要はない。生きた情報を手軽に美しい資料にまとめて同僚たちと共有できるため、ミーティング主目的である"情報を共有して何らかの結論を出す"のに適している」とした。
続いてリービン氏は「集める」の技術として、同社のオンラインショッピングサイト「Evernote Market」で提供中のドキュメントスキャナ「ScanSnap Evernote Edition」を紹介し、「自分が知る限り最高のスキャナ。ボタンを押すだけであらゆる文書をスキャンして、自動的にカテゴリ分けもしてくれる」と説明した。
さらに同製品と連携するスキャナアプリ「SCANNABLE」も披露。スマホなどの内蔵カメラをスキャナ代わりに使うこともでき、外出先など手元にScanSnapがない場合でも文書のデジタル化が可能。アプリは近日中に提供が開始されるとのことだ。