――7月クールは『HERO』も話題だったんですけど、『アオイホノオ』は私の周囲でとても評判がよかったドラマでした。ブログには「試練を乗り越えた」と書いてありましたが、どんな試練だったんでしょうか。
まずは方言。関西弁がすごく難しくて。今までになく原作に忠実な役だったので、そういうところも大変でした。あとはドラマと同時期に初舞台をやりながら『CanCam』のモデルの仕事もあったり。
――漫画原作を演じる上で心がけていることは?
どの程度原作を忠実に再現するのかもあると思うんですけど、自分なりにすごく落としこむことが大事だなと思います。アニメを観たり、漫画を読んだりすることも多いので、リアリティに落としこむための妄想は好きだったりするので。台本を読んで監督さんと話して「原作を気にしないでほしい」と言われたら、原作は1度目を通すぐらいであまり深く読まないようにします。逆の場合…例えば『アオイホノオ』だと、原作を深く読んで、コマごとの表情を見たり。
――今年は大学も卒業されましたね。生活に変化があったと思います。
余裕が出ました。撮影終わって、「レポートやらなきゃ」とか「また授業出席出れなかったので先生に謝らないと…」とか考えないでよくなって(笑)。次はいつ学校に行こうとか、研究室に顔を出さないととか…そういう心配事が無くなったのは楽になりました。仕事がない日にちゃんと休むことができるようになったのも、以前と変わったところです。
――大学は行ってよかったと思いますか?
人間関係的にも行ってよかったと思います。身近にそういうエンターテイメントを見ている人たちがいると、リアルな感想を聞くことができます。周りの声が自然と聞こえてきたりするんです(笑)。あと、雑誌とか見てる子とかがいるとのぞいてみて、「あっ、『ViVi』か…」とか(笑)、そういう刺激になることもあります。それから、いろいろな人がいるというのも実感できて、役作りでも「あの子はこの役に近いかも」とかヒントになることもありました。
――勉強の面で役に立っていることは?
バイオサイエンスなので、特殊すぎて(笑)。STAP細胞のようなニュースなんかは、説明を聞くと理解することができたり…そのくらいですかね。あまり役立ってないかも(笑)。あっ! でも、『安堂ロイド』をやっていたときは、白衣姿の研究員だったので実験器具の扱い方とかには役に立ったと思います。
――大学中に聞くことができていた「リアルな声」。今はどうなさっているんですか。
確かに、今はそれをどこかに求めてないですね。ただ、時間はあるのでいろいろな作品を見たり、人と会ったり。私、すっごくフットワーク重くて。誘われないと、家にこもってしまうタイプなんです。前は誘われても、断ることもあったんです。2014年の目標は「フットワークを軽く」。だいぶ、いろんな人と話したり、ご飯に行ったりするようになりました。
――とりあえず、今は受け身?
そうですね。自分から誘う人は3人ぐらいいます。中学、高校から仲良い友だち、『CanCam』編集部の人、あと…あれ? 2人しか思い当たらない(笑)。あっ、もう1人はスタイリストさん! あとは…うーん…そのぐらいですかね。
――今年の目標を実行して、発見はありましたか?
行けば楽しめるということが分かりました。いろんな人の意見を聞いて、「こういう考えの人もいるんだ」と参考にしたり、相手にどんな印象を抱くのかを知ることで自分が見えてきたり。大学がなくなった分、自分が動いていかないと、と思っています。
――ブログには作品が終わるごとに心境がつづられていますが、「寂しい」とよく書かれています。それは人? それとも作品に対してですか。
作品が終わるごとに、学校を卒業するような気持ちです。そして、新しい作品はクラス替えの初日のような気持ち。話せる人いるのかなぁとか(笑)。最近は再会する方も増えて来ました。同じ監督さんやプロデューサーさんに呼んでいただくこともありますし、人との関わりがつながっていっているのがすごくうれしいです。
――そのつながりの結果もあると思いますが、昨年からかなりの作品に出演していますね。ご自身では、なぜここまで人気があると思いますか?
事務所の方が頑張ってくれているんだと思います(笑)。私は目の前の1つ1つを楽しんでいるだけなんです。だから、仕事が続いている理由は…自分では分からないです(笑)。舞台はやるか、やらないかの選択はさせていただきましたが、今、私にお仕事を選ぶという事はありません。とにかく今は、やれることを全部やりたいと思っています。
――今回の『今日からヒットマン』はある日突然人生が変わる話。山本さんにとっての転機は、どの作品ですか。
女優では『桐島、部活やめるってよ』。そこでいろいろなことを教わりました。もちろん、仕事面もそうですが、キャストやスタッフさんとの関わり方も。本当にたくさん学ばせていただきました。あの作品に出会っていなかったら、たぶん今の私はありません。女優はやりたかったことなので、オーディションを受け続ける日々を送っていると思います。
――転機となった人は?
スカウトしてもらったので、マネージャーさんなのかもしれませんけど…あっ、ニーナ(別の担当マネージャーの愛称)が付いてからはとっても楽しいですね! ちょうど2年くらいかな? 現場がとても楽しいですし、おかげさまで移動中も事務所に行くのも楽しくやらせていただいています。話もすごく合います。マネージャーの存在はすごく大事だと思います。だって、家族よりも友だちよりも誰よりも一緒にいる人ですからね(笑)。そして、誰よりも私のことを知ってくれる人。
――そんなニーナさんに送る言葉は?
あははは(笑)。えー! 何かなぁ…「辞めないでね」ですかね(笑)。
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■プロフィール
山本美月
1991年7月18生まれ。福岡県出身。身長167cm。O型。2009年7月に行われた第1回「東京スーパーモデルコンテスト」に出場し、グランプリを受賞。以後、『CanCam』の専属モデルとして活躍する。2011年にはフジテレビ系列『幸せになろうよ』で女優デビュー。2012年には『桐島、部活やめるってよ』で映画初出演を果たし、昨年から今年にかけて映画『黒執事』『東京難民』『女子ーズ』『近キョリ恋愛』『小野寺の弟・小野寺の姉』、ドラマ『SUMMER NUDE』『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~』『僕のいた時間』『アオイホノオ』などさまざまな作品に出演している。現在放送中のドラマ『地獄先生ぬ~べ~』(日本テレビ系にて毎週土曜21時~)にも出演中。自身初のカレンダー『2015 山本美月カレンダー』が11月21日に発売予定。