タイトルについては、楽曲を聴いた時に"ヤマトが絶対に地球に帰るという意志"、そして"美しい青い姿を取り戻した地球"というイメージが浮かびました。イスカンダルも地球も青い星であり、海や空のかけがえのない美しさを表現するために、地球が持つ美しい色である"青"をタイトルにしたいと思いました。

──水樹さんの楽曲には横文字であったり、読み仮名をオリジナルで当てるような表現が多いですよね。「BLUE」は逆にシンプルな言葉に想いを込めている印象ですが、今回は作品性や聴き手の年代層の広さを意識されていますか?

ファンタジックでオリジナルな造語や読み仮名は大好きですが、今回はストレートな言葉で書きたかったんです。作品の世界に寄り添いながらも日常的なものを描き、当たり前の中にある大切な気持ちを綴りたくて。普段なかなか口に出せない、感謝の気持ちや愛情をたくさん込めました。

──水樹さんにとって、そのような大切な気持ちが感じられる場所はどこでしょう。

私にとって一番"愛"を感じる場所はライブです。今年、喉の不調でライブを休演した時には、皆さんの深い愛に本当に支えていただきました。改めて、素晴らしい仲間に出会えたこと、そして毎日が奇跡の連続なんだということを感じました。その想いが『宇宙戦艦ヤマト2199』で描かれる"愛"とシンクロして、素直に言葉を綴ることができました。

──「BLUE」と「愛の星」の歌い方の違いや、二曲の関係性もお聞きしたいです。

「愛の星」は、地球に帰還するヤマトの中から、地球に向けて両手を広げて歌うようなダイナミックなイメージ。そして「BLUE」は、隣にいるクルーに向けて歌うような、体温の感じられる距離の近いバラードになっています。音域も「愛の星」は広いですが、「BLUE」は高音域に集中しています。この2つの楽曲は姉妹のような関連性で、お姉さん(「愛の星」)は周りを見渡しながら色々な想いを巡らせますが、妹(「BLUE」)は無邪気にうれしい! 悲しい! と自分の感情をストレートにぶつけていて……。「BLUE」はさりげなく側に寄り添う心地よさがあり、自然に笑顔になれる楽曲に仕上がったと思います。

──『宇宙戦艦ヤマト2199』は、宇宙の彼方のイスカンダルを目指し、地球へ帰還する物語です。水樹さんにとってのいつかたどり着くべき理想の場所と、いつか帰るべき原点があれば教えてください。

私は終着駅を決めず、どこまでも進んで行きたいと思っています。色々な夢や目標の中でイスカンダル的ものは……甲子園球場でのライブですね(笑)。阪神ファンとしていつか立ちたい憧れの場所です。そして私は77歳まで現役でいることが目標なので、時空をワープして目指すイスカンダルは、77歳ライブに通じるものがあるのかもしれません(笑)。

いつか帰る場所は、やはり生まれ育った愛媛ですね。愛媛は、歌好きな方がとても多い場所で、毎週のようにお祭りや歌の大会、発表会があります。気軽に歌える場所が多く、歌がすごく身近にある土地なんです。歌手になりたいという夢を抱いたのは、愛媛に生まれたことが大きいと思います。いつか愛媛でアニソンフェスを開催して、地元の人が集ってくれたり、子どもたちがそのフェスに出たい! と思ってくれるようなイベントを作りたいです。

──歌に近い場所で生まれ育った水樹さんですが、今度はNHKのアニソンのど自慢にゲストとして出演されますね。

参加者の皆さんを後ろから応援して、サポートする気持ちです。のど自慢のような大会に出る緊張感、ものすごくよくわかります!(笑)。だから全力で応援する家族のような気持ちで、一緒に緊張して、一緒に喜んで、イベントを盛り上げられたらなと思います。

──もし宇宙でライブができるならどんなライブに……?

宇宙服なしで歌えるイスカンダルのような場所でライブがもしできたら……スターシャがいるお城みたいな場所で歌えたら素敵ですよね! 宇宙でジャンプしたらどうなっちゃうんでしょう!?(笑)。宇宙ならではの演出が色々できると思うので、私が生きている間にそんなことができる未来を期待しています(笑)。

──最後に『宇宙戦艦ヤマト2199』という作品、そして「BLUE」と「愛の星」2つの楽曲が水樹さんにとってどういう存在なのか、改めて聞かせてください。

『宇宙戦艦ヤマト2199』に携わらせていただき、「愛の星」と「BLUE」という、私にとっても特別な曲を制作させていただけて本当に幸せです。実は去年、台湾の初ライブで「愛の星」のタイトルをコールした瞬間に大歓声が起こったんです。さらに今年行った台湾でのファン投票では、200曲以上ある私の曲の中で「愛の星」が1位に選ばれて……。海を越えて皆さんに愛していただき、本当にうれしかったです。これからも愛を込めて大事に歌い続けます!!

(C)2012 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会