Appleが9月9日に披露した同社初のウェアラブルデバイス、Apple Watch。このデバイスの進化によっては、将来、我々の生活の中心となるコンピュータになるかもしれない。我々が、あるいはApple自身がiPhoneに対して期待している役割を、Apple Watchが取って代わる可能性、素質について考えたい。
他社のデバイスとの比較をする前に、Appleがどのような位置づけでこのデバイスを捕らえているのかを考えてみたい。10月20日(米国時間)、Appleは2014年度第4四半期決算を発表した。売り上げの7割を占めるiPhoneが16%の販売増となり、Appleの売り上げも13.3%伸びた(いずれも前年同期比)。
iPhoneはAppleのビジネスの中心であり、ユーザーとAppleを結ぶ、製品やコンテンツや体験を届けるためのパイプラインとしての役割になっている。
同期の決算では、このパイプラインを生かして、Macの販売台数は552万台に上り、ほとんどデザインを変えていないノート・デスクトップPCが、PC市場全体のマイナストレンドに反して1年間で21%も成長した。逆に、このパイプラインに上手く乗れていないiPadは、タブレット市場が年間11%成長している中で、前年比13%の落ち込み。明暗が分かれる結果となった。
Apple Watchは、iPhoneパイプラインに通すために考えられた初めてのデバイス、と位置づけることができる。Apple Watchは2015年初頭にリリースすることが見込まれており、2015年1-3月期(2015年度第2四半期)決算までには、その初速が見られるようになるはずだ。