10月25日と26日、東京の中野サンプラザで、フジヤエービックが主催する「秋のヘッドフォン祭2014」が開催された。
メーカー各社が、ブースで最新のヘッドホンやヘッドホンアンプなどを展示。メジャーブランドの製品だけでなく、普段はあまり目にする機会がないブランドの製品も聞き比べることが可能。ヘッドホンやヘッドホンアンプの最新事情を知るのにはもってこいのイベントとなっている。
ここでは、当日初公開となった製品や会場で発表が行われた製品、開発中モデルの参考出展を中心に、筆者が気になったプロダクツをいくつか取り上げていきたい。
MOMENTUMと同じ密閉オーバーヘッドでも方向性が違うURBANITEシリーズ
ゼンハイザージャパンのブースでは、10月24日に発表したURBANITE(アーバナイト)シリーズなどを国内初公開している。URBANITEシリーズは、密閉オーバーヘッド型のヘッドホン。ノーマルのURBANITEとヘッドセットのURBANITE XLがラインナップされている。URBANITE XLは、ノーマルのURBANITEに比べて一回り大きなサイズだ。
同社の密閉オーバーヘッド型ヘッドホンというと、「MOMENTUM」シリーズがヒットモデルとなったとなっているが、URBANITEは、サイズ的にも価格帯的にも「MOMENTUM On-Ear」に近い製品だ。ただし、ターゲットとしている層は異なり、MOMENTUMシリーズが大人向けのデザインとサウンドであるのに対して、URBANITEシリーズは、それよりも若い層を狙ったモデルだという。直線を多用したデザインに加えて、サウンドはより低域のパワーが感じられ、クラブサウンドなどの再生に向いている。
また、CXシリーズの新ラインナップも国内初展示。現行のCXシリーズは、同社のカナル型イヤホンの中では定番となっているモデルだ。新しいラインナップは、「CX 1.00」「CX 2.00」「CX 3.00」「CX 4.00」。4モデルとも低域再生能力が高められている。
Blue Note75周年を記念したハイレゾ音源75枚が付属するプレーヤー
アユートのブースでは、10月8日に発表した「Astell&Kern AK240 ブルーノート 75周年記念エディション」を国内初公開。同モデルは、同社と今年75周年を迎えるジャズレーベルのBlue Noteとコラボした製品。
ブルーノートをイメージしたブルーのカラーを採用。Blue Noteのロゴも入れられている。AK240には、Blue Noteを代表する75枚のアルバムを192kHz/24bit、または96kHz/24bitで収録。今回初めて24bit化された音源も含まれている。また、75枚ジャケットと、それをディスプレイするためのスタンドも付属。ジャケットを75枚並べると、サイドにはBlue Noteのロゴが表示される。パッケージには、75周年のメモリアルブックも含まれている。
また、beyerdynamicとコラボしたヘッドホンも参考出展。ベースになっているモデルは「T5p」で、Astell&Kernの「AK100II」「AK120II」「AK240」でのバランス接続用に、プラグを2.5mmの4極タイプに変更。また、サウンド面でもAstell&Kernのプレーヤーにマッチするようにチューニングが施されている。
デノンサウンドを楽しめるプレミアムポータブルヘッドホン
ディーアンドエムホールイディングスブースでは、25日に会場で発表会を行ったMusic Maniacシリーズのヘッドホン3モデルを展示。
φ40mmドライバーを採用したオーバーイヤータイプの「AH-MM400」、同じくφ40mmドライバーを採用するオンイヤータイプの「AH-MM300」、φ30mmドライバーを採用する御イヤータイプ「AH-MM200」の3モデルだ。
φ40mmドライバーは、「フリーエッジ・カーボン/ペーパー・コンポジット振動板」を採用。スピーカーの振動板のようにエッジを備えており、より正確なピストンモーションを実現している。
AH-MM400のイヤーカップには楽器にも使用されるアメリカンウォールナット材を採用。AH-MM300とAH-MM200のイヤーカップは、GFRP製だ。3モデルとも折りたたみが可能なポータブルモデルだが、ハンガー部分やスライダー部分に肉厚のアルミ素材を使用。耐久性と防振性を高めている。
AH-MM300は11月下旬発売で、他の2モデルは12月上旬発売。価格はいずれもオープンで、推定市場価格は、AH-MM400が39,800円前後、AH-MM300が29,800円前後、AH-MM200が19,800円前後(いずれも税込)。