――共演の方からは演技のアドバイスもあったそうですね。

はい! お兄ちゃん役の福士誠治さんとは割りと一緒になることが多くて。やっぱり映画にもたくさん出演されている俳優さんなので、本当に演技がうまいんです。福士さんが手を上げた時に私が超能力を使う場面では、いろいろとアドバイスをくださいました。

――共演するとそれまでの印象は変わるものですか。

リハーサルの時から、演技がとにかくすごい。私はこういう演技の経験はなかったので圧倒されっ放しで、こんなすごいみなさんの中でヒロインなんて大役をいただいて私で大丈夫なのかなぁって心配になっちゃいました(笑)。不安でも、ほかの役者さんたちに迷惑はかけられないですし。本番直前まで超不安でした。

――ドラマ『闇金ウシジマくん2』に出演した紗倉まなさんに以前お話を聞く機会がありまして、自然な演技が難しかったとおっしゃっていました。やはり、上原さんもAVの現場との違いは感じましたか。

確かに違うと思います。私、普段のAVのお仕事ではアドリブが結構得意なんです。ポンポンポンポンセリフが出てくるんですよ。AVでは、アドリブの時と演技指導が入る時と台本がちゃんとあるドラマ物の時によって違いがあります。中でも私はアドリブの作品が得意です。カメラに向かって話しかけるようなシーン。でも、今回はそれとは全然違います(笑)。ひとりさんがどんなことを言ってくるか分からないですし、もちろんいつものエロ用語じゃなくてちゃんとしたセリフを言わなければいけません(笑)。

――これまで「キス我慢選手権」には、数々の人気セクシー女優が出演してきました。上原さんも出てみたいと思っていましたか。

そうですね。テレビで拝見していて、いつか出たいなぁと思っていました。「ゴッドタン」にはまず「イチャまんグランプリ」に出演させていただいて、次に呼んでいただいたのがこの作品だったのでこれもテレビだと思っていました。ちなみに、マネージャーさんも(笑)。それがまさかのザ・ムービー! 台本もらったら超分厚くて、セリフの量もすごいですし(笑)。マネージャーさんと慌てちゃって、これはがんばるしかないなと。それからはAVの撮影の時も、待ち時間も休憩中も、「キス我慢」の台本を読んでいましたし、必死でした(笑)。

――こうしてお話していると想像できませんが、AVではかなりハードな作品に出演されていて、ここまできる女優さんは最近では珍しいと聞きました。

割りと何でもやっちゃうタイプです。M役が多いんですけど、実際はSなんですよ。最近カミングアウトするようになりました(笑)。本当は攻めるのが大好き。時々、女王役でムチとか叩ける時は超楽しくて! ビンタとかも本気でやっちゃうんです(笑)。

――「なんでもやる」というモチベーションは仕事が好きだから? それとも他に源となる物があるのでしょうか。

もともとチャレンジ精神があって、どんなことでも「やってみないと分からない」というタイプなんです。AVはスカウトなんですが、当時は自分に自信が持てなかったのもあり、こういう経験をしてみるのもいいかなという感じではじめたことがきっかけでした。

――トータルで何本ぐらい、月にどのくらいのペースで出演されているんですか。

自分の名前が出ないものも含めると…800くらいだと思います。一番頑張っていた時は、月に20とか(笑)。今は月に10いかないくらい…8とかです。「ゴッドタン」とか、AV以外のお仕事も増えてきましたし。

――最新作『龍が如く』のセクシー女優人気投票でも3位になるなど、今ではAV業界でもスター的な存在だと思います。ブログには、今回の映画をきっかけにもっと演技が好きになったと書いてありましたが、今後の人生設計はどのようにお考えですか。

私はすごい負けず嫌いなんですよ。この仕事をはじめたからには、歴史に名を残すような女優になりたいと思っているので…。

――もうすでに伝説になっていると思いますが(笑)。

全然ですよ! まだまだです! 例えば、みひろさんとかRioさんのように、名前を言えば誰でも分かってくれるようなレジェンド女優さんになりたいです。だから、もっと幅を広げて活動していきたいなと思います。上手いとか下手とか、得意とか不得意とかは別にして、演技をすることがすごく好きなんです。セリフを覚えるのは苦手なんですが、もらった役に入り込むことはすごく好き。今回の撮影もすごく楽しかったので、今後もドラマや映画に挑戦していけたらなと思っています。

■プロフィール
上原亜衣
1992年11月12日生まれ。福岡県出身。2011年にデビュー。セクシー女優として活動するほか、バラエティ番組や映画『実写版 対魔忍ムラサキ』(2014年)に出演するなど、活動の幅を広げている。セガのゲーム『龍が如く』のセクシー女優人気投票では、有村千佳、紗倉まなに続いて3位にランクインし、同作への出演権を獲得した。

(C)2014「キス我慢選手権 THE MOVIE2」製作委員会