――「Le jour」は『失われた未来を求めて』のオープニングテーマですが、そのあたりであらためて意識したことはありますか?

佐藤「作品のオープニングテーマを歌わせていただくのは初めてなんですけど、オープニングというのは作品の顔であり看板になるものじゃないですか。なので、背負って立つというほどではなくても支えくらいにはなれたらいいなと思って歌っています。そして、作品の導入になるので、曲を聴いて皆さんに作品に入る準備をしてもらえたらいいなという気持ちもあります。ただ、第一話ではエンディングに流れたので、また少し違ったニュアンスになっていましたね。」

――ちなみに第一話ではエンディングテーマとして流れるというのはあらかじめ知らされていたのですか?

佐藤「知らなかったのでビックリしました。ただ、すごく大事なタイミングで入ってきたので、ちょっと感動しましたし、第二話以降ではどうなるのかっていう楽しみも増えました」

――続いてカップリングの「アキノソラ」についてお伺いしますが、こちらはポップな感じですね

佐藤「これまでの楽曲に近い感じですね。『アキノソラ』はツアーファイナルをイメージして、そこからまた一歩進んでいくという曲だったりするので、ライブに来て下さった方はそのときのことを思い出してもらえるといいかなって思います。1stシングル、1stミニアルバムを経て、今の自分をお見せできる内容になっているんじゃないかと思います」

――「アキノソラ」で注目してほしいポイントは?

佐藤「Dメロというのでしょうか、曲調が変わってちょっと囁くような感じの歌い方をしている部分があるんですけど、そこがすごく面白いポイントになっていると思います。『夏の☆を』という歌詞があるんですけど、ミニアルバムの『☆』が使われていて、すごくいろいろなことを考えて作ってくださっていることが感じられたので、気持ちを込めることができました」

――今回リリースされる「アニメ盤」には、「アキノソラ」ではなく、エンディングテーマ「明日また会えるよね」のカバーが収録されています

佐藤「エンディングをカバーするというお話を聞いたときはすごくビックリしました。元の曲は、キャラクターが歌っている曲で、キャラクターの気持ちにすごく寄り添っているものだったので、レコーディング前には2人が歌われたものを実際に聴かせてもらったんですけど、すごく素敵な楽曲で、原曲に泥を塗らないようにしなきゃダメだという気持ちで挑みました。ただ私の場合、キャラではなく、佐藤聡美として歌わせてもらったので、2人の気持ちを膨らませつつ、第三者目線で歌わせてもらいました。なので、聴き比べていただくと、それぞれの味を楽しめるのではないかと思います」

アニメ盤のジャケットイメージ

――エンディングテーマとオープニングテーマは歌詞などでもかなりリンクしているところがありますよね

佐藤「どちらの曲も作品のキーとなるワードが入っているので、オープニング、本編、エンディングと続けて観ていただくことで、丸々一話、『失われた未来を求めて』という作品にどっぷりと浸れるのではないかと思います。オープニングとエンディングの曲調が大きく違う作品も多いですが、この作品の場合は、ひとつの線として繋がっている感じを楽しんでいただけると思います」

――初回限定盤と通常盤のジャケットは色が違っていますが、どのような意味が込められているのでしょうか?

佐藤「ミュージックビデオは、現在を生きている人が過去の人に思いを馳せるといったコンセプトになっています。初回限定盤のオレンジが過去の人、通常盤の青が現在の人、そんなイメージで、すごく不思議な世界観になっています。これまでのミュージックビデオと大きく違った大人っぽい感じなので、観た方はけっこう驚かれたようです」

――撮影はいかがでしたか?

佐藤「撮影は、朝早くから明け方までかかる長丁場だったのですが、細かいところまで突き詰めたので、個人的に満足しています。終わるころにはフラフラでしたけど楽しく充実感がありました。『失われた未来を求めて』は、日常を繰り返すような内容の作品なので、それをちょっと準えて、リンクするような感じで撮ってもらいました」