際立つApple Payの使い勝手の良さ
これらの経験を踏まえれば、かつて米国でローンチされてきたどのモバイルウォレットサービスよりも、Apple Payの使い勝手の良さは際立っている。後述するが、ローンチのタイミングで(Apple側の公称数で)22万カ所で利用可能というのも、インフラとして考えれば非常に大きい。
特に都市圏で人々が頻繁に利用するような大手チェーンがApple Payをサポートしている点は、そのメリットを享受するのに十分だろう。(後出しという)ローンチのタイミングの問題とはいえ、米国で人々がこれだけ熱狂するのもわかる気がする。
ただ日本のユーザーからすれば、すでにおサイフケータイの提供が開始されて10年が経過しており、使っているユーザーにとっては「タップ&ペイ」はごく日常のものとなっている。その意味では「なんでいまさら……」という感想もなくはないが、「携帯電話(さらにはクレジットカード)を読み取り機にタッチして支払いを行う」という体験をしたことがなかった海外の多くの人々が、Apple Payの開始をもって「タップ&ペイ」の世界を知るのは、店員やユーザー教育の面からも、"トレンドのシフト"ともいえる状況を生み出しつつある。