来年にもTransferJet内蔵スマートフォンが登場?
近距離の無線規格として開発された「TransferJet」は、長らく普及が進んでいなかったが、約3cmの距離で最大560Mbpsという高速通信が可能なため、大容量データの交換に便利な規格。現在はチップに加えてマイクロSDIOカードやUSB/マイクロUSBアダプタも登場しており、実際に利用できる環境にはなっている。
さらなる普及を目指して、TransferJet内蔵SDカードも開発中で、デジタルカメラで撮影した大容量の画像や動画もすぐに転送できる点をアピールする。アダプタでは、Lightning接続モデルも準備中。アップルの認証取得が間に合わず、CEATEC会場には展示されていなかったが、間もなく認証が取れるため、今年中には発売できる見込みだという。
それに加えて、現在TransferJet内蔵スマートフォンも開発中だという。ブースの説明員によれば来年夏モデルのタイミングを目指しており、メーカー名は明言されなかったが、どうやら富士通のようだ。ブースでのデモでは、マイクロSDIOカードを内蔵したスマートフォンが使われていたが、スマートフォンのmicroSDカードスロットはSDIOをサポートしないため、デバイスドライバをデモ用に書き換えているそうだ。逆に言えば、「それができる人なら個人でも書き換えて対応できる」(ブースの説明員)らしい。
いずれにしても、内蔵スマートフォンが登場することで、TransfeJet側では、今後他社からの製品登場も期待する。
高速大容量によってフルHDの動画もすぐに送信できるほか、数cmでの通信のためセキュリティも確保できるため、学校の現場の資料配付などで要望があるほか、著作権保護のためSeeQVaultもサポート。録画したテレビ番組などを高速にスマートフォンに転送して外出先で見る、といった使い方もできる。ただし、現在のSeeQVaultは他社製品間の互換性がないため、一般的になるにはそういった課題を解決してからになる、とみているようだ。ちなみに、TransferJet内蔵スマートフォンはSeeQVault非対応になる、という。
ほかにも、ライブ後に映像を配信する「テイクアウトライブ」では、これまでQRコードをスマートフォンで読み取り、インターネット経由で配信する仕組みだが、これをTransferJetに置き換えれば、高速で、すぐに映像を提供できることができる。
TransferJetでは、製品の供給と用途の提案によって、利用の拡大を図っていきたい考えだ。