ハイエンドタブレットとしては申し分ない実力、国内価格をどう見るか
さて、ここまでSHIELDタブレットの概要を紹介してきたが、NVIDIAは、SHIELDタブレットで、PCにおけるゲーミングPCと同じようなポジションを目指すとのことだったが、その意気込みに恥じない作りこみで、まさに「ゲーミングタブレット」という領域を切り開くために十分な性能を持っている。ゲーム向けに限らず、Androidタブレットの中でも特に完成度が高い製品といってもいい。
さて、高い完成度で隙がなさそうに見えるSHIELDタブレットなのだが、普及の壁になりそうなのが日本国内での価格だ。北米ではストレージ容量16GBのWiーFiモデルの価格は299ドル、ワイヤレスコントローラは59.99ドル。日本国内の店頭予想価格は、タブレット本体が40,000円から45,000円、コントローラが8,000~9,000円だ。SHIELDタブレットならではのユーザー体験を得ようと思えば、コントローラは必須なので、実質的に50,000円を超える出費となる。これにこれに純正カバー(4,500~5,000円)を加えると、さらに予算が必要だ。
50,000円の予算があれば、PlayStation Camera込みのPlayStation 4やXbox One + Kinectといった次世代コンソールや、GeForce GTX 970のような上位クラスのグラフィックスカードが買えてしまう。また、Androidタブレットは20,000円台の製品がメインストリームなので、そういった製品と比べると割高に感じてしまう。
性能や搭載されている機能、日本国内での流通コストを考えると、いたしかたないという部分もあるが、さまざまな選択肢の中で優先度をつけていくと考えてしまう部分もある。また、価格以外にも日本ではLTEモデルがないことに対して、残念に感じるユーザーもいるだろう。
ただ、これまで見てきたようにSHIELDタブレットには、NVIDIA Tegra K1の高いパフォーマンス、使いやすいワイヤレスコントローラ、使い方によっては大化けしそうなShadowPlay、高い精度のスタイラスなど、多くの魅力が詰まったデバイスだ。そうした魅力を評価する人、とにかくハイエンドなタブレットがほしいという人に対しておススメしたい製品だ。