新たな「VAIO」が、いよいよそのベールを脱ぐことになった――。VAIO株式会社は、米国時間の10月4日から、米ロサンゼルスで開催されているAdobe MAX 2014において、同社ブランド初となるタブレットPCの試作品を参考展示した。

「クリエイター向けの一点突破の製品」と同社がいうように、ターゲットをクリエイターに特化した形で機能を強化。社内では、「クリエイティブタブレットPC」と呼ぶ一方、「THE MONSTER TABLET」の称号も与える。

同社では、今後、クリエイターの意見を聞きながら、仕様を詰めて、来年にも製品化する意向を示している。これは、VAIOが目指す「本質+α」を実現する製品になっているのか。

Adobe MAX 2014で展示されるタブレット試作機

Haswell搭載のモンスタータブレット

VAIOが、Adobe MAXで公開した「クリエイティブタブレットPC」は、3:2のアスペクト比を持つ、10点タッチ式の12.3型液晶ディスプレイを採用。CPUにはHaswell世代であるi7「H Processor」Quad Coreを搭載。PCIeハイスピードSSDを搭載して、ストレージのアクセススピードの高速化も図っているモンスタータブレットだ。

社内でクリエイティブタブレットPCと呼ばれている試作機。ディスプレイ解像度は2,560×1,704ドットで、アスペクト比は3:2だ

液晶ディスプレイの解像度は、2,560×1,704ドットと、Retinaディスプレイを上回るスペックを達成。250ppiの表示性能は、タブレット端末としては異例のものとなっている。

3:2のアスペクト比を採用したのも、A4サイズに近い画面サイズであり、写真もフルサイズで表示できる。縦で表示した場合も、横で表示した場合も、創作活動には最適なサイズと判断したことが挙げられる。

さらに、Adobe RGBのカバー率は95%以上であり、プリントメディアを取り扱うユーザーにとって最適化した仕様である点も見逃せない。

また、ディスプレイは蒸着コーティングを施すことで低反射を実現。これは時間がかかる工程であるため、量産モデルには不似合いなものだが、あえてこれを採用するほどのこだわりだ。

内部には大型のファンを搭載し、TDPで47WというCPUの特性とあわせて、本体が熱くならないような設計にも配慮している。

排気口を本体上部に備える