ソニーは9月25日、「ウォークマン NW-A16」「NW-A17」などハイレゾ対応オーディオ製品のリリースに合わせて、報道関係者向けに発表会を開催した。
NW-A16とNW-A17は、「ウォークマン A」シリーズとして初となるハイレゾ対応モデル。ハイレゾ対応の「ウォークマン」でエントリーモデルに位置付けられるほか、microSDメモリーカードスロットを備える点が特長だ。発売は11月8日で、価格はオープン(推定市場価格は16GBメモリ内蔵のNW-A16が25,000円前後、32GBメモリ内蔵のNW-A17が35,000円前後)。
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ハイレゾへのニーズに確信を抱いた!
発表会では、ソニー 業務執行役員 SVP ビデオ&サウンド事業本部・本部長の高木一郎氏が登壇。高木氏は、メーカー各社から大量のハイレゾ対応製品がリリースされ、ソニーでも「NW-ZX1」をはじめとする製品をリリースした2013年を「ハイレゾ元年」と命名。高木氏はレーベル各社からのハイレゾ音源の数が増加していることや、「mora(モーラ)」などの配信サービスでもハイレゾ対応が進んでいる状況を紹介した。
高木氏は、NW-ZX1が発表当時70,000円台半ばという高価格だったにもかかわらず一部で在庫切れになるほど人気を博したことに触れ、「(NW-ZX1は)高付加価値のハイレゾミュージックプレーヤーのポジションを確立した」と、高音質に対する市場のニーズがある点についてソニーが確信を持つ契機になったと説明。
コンテンツ数や配信サービスなど、ソフトウェア面でもハイレゾ対応が進む |
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【左】ソニーでも、2013年に大量のハイレゾ対応製品をリリース 【右】「NW-ZX1」のヒットが、ソニーにハイレゾへのニーズを確信させる契機になった |
実際、ソニーが2014年5月に行ったインターネット調査では、「CDよりも豊富な情報量をもつ、ハイレゾ音源を再生する機能」「ハイレゾ音源でない楽曲をハイレゾ相当の音質にアップスケールする機能」のそれぞれについて、「魅力的だと思う」という回答者は、前者が89%、後者が88%だったという。加えて、ソニービルで行われたハイレゾ関連のイベントにおいて「イベント会場で流れているような、ハイレゾ音源を聴きたいと思いますか?」という質問に関しては、「とてもそう思う」「そう思う」という回答者が合わせて83%もおり、イベントで触れたことなどを契機としてハイレゾに関心を持つ消費者が多い結果が得られている。
ここで、高木氏は初代ウォークマン(1979年発売)が音楽を外へ持ち出すムーブメントを作った点などに触れ、今回発表した「ウォークマン A」などの製品群について「新たな転機としたい」とコメント。"ハイレゾで音楽を持ち出す"というムーブメントを作り出す役割を担うよう期待を寄せた。
NW-A16およびNW-A17には、新たに「DSEE HX(Digital Sound Enhancement Engine)」を搭載。ハイレゾ未満の音源でもハイレゾ並みにアップスケールすることが可能となっており、高木氏は「高音質体験の裾野を広げる」と、幅広いユーザーにハイレゾ相当の音質を体感してもらう契機にしたいという。
高木氏は、「ウォークマンを入口として、ハイレゾの新たな転機としたい」と、今回の製品群に込めた想いを語った。