「Pencil」という名のスタイラスが想像以上に鉛筆的な使い心地だった

Paperと接続

Paperは数あるiPad用手描きアプリの中でも、シンプルながらユニークなこだわりを感じる1本だ。アプリ上でノートブックを開き、ツールを選んでページに描いていくわけだが、ページめくりやパレット上の混色といった操作性がうまくアナログを模していて独特だ。また、選択範囲やレイヤー、描画モードなど、描画系アプリによく見られるツールがなく、機能は描くこと・消すこととアンドゥに絞られている。自分の技量をツールや効果で盛ることができない分、プリミティブにアイデアの表現に集中できるスケッチアプリだと言えるだろう。

iPadのBluetoothをオンにした状態でPaperを起動し、ツールパレットにあるボタンをPencilで長押しすることで接続が完了。接続するとアプリがペン先と手を区別することで、精度の高いパームリジェクションを実現。ペン先は太めに見えるが、比較的細かな描画にも対応する。スタイラスをひっくり返せば即消しゴムに。また、ペン先でなく指で画面に触れると、ボカシツールになる。言葉にすると簡単な機能だが、使ってみるとこれまでにない使い心地がなかなか楽しい。

安心のパームリジェクションで無理に手のひらを浮かせる必要がなく、ナチュラルな動作で描くことが可能だ。また、ボカシ機能で重ね塗りをした上に細部を描き込むなど、同じアプリを使っていてもスタイラスによって表現の幅が広がったことがわかる。