過去最大規模のアップデートとされるiOS 8。どんな機能がついかされたのかをここでチェックしていこう。前編、中編に続き後編をお届けする。
システム管理
OSのメジャーアップデートということもあり、iOSはシステム管理の部分にも手が入れられている。とはいっても、その状態を閲覧/変更できるアプリは「設定」に限られており、一般ユーザが把握できるのもその項目にくわえられた変更のみだ。
目立つところでは、バッテリー管理の充実が挙げられる。「一般」→「使用状況」には「バッテリーの使用状況」が追加され、最後に充電を完了してからの経過時間を「使用時間」と「スタンバイ」に分けて表示してくれる。その差が大きければ非ロック状態が長い、つまり使い方に改善の余地が多いかロック状態に移行しないなんらかの不具合が生じているとわかる。
個別アプリのバッテリー使用状況も表示される。バッテリー消費総量のうちどれだけを消費したか、アプリごとに「1日以内」と「4日以内」の範囲で集計した結果を表示してくれるのだ。この画面を見れば、気付かないうちにバッテリーを消費しているアプリが一目瞭然、そのアプリのバックグラウンド処理を禁止するなどの対策を講じればバッテリーの浪費を防ぐことができる。
アプリのクラッシュ時の状況などシステムログを閲覧する項目が、以前の「一般」→「情報」から「プライバシー」へと変更された。内容そのものに変化はないが、注意深く眺めるとiOS 8の不具合らしきものをいくつか発見できるので、動作が安定するまでは要チェックの項目といえる。
まず、「stacks+backboardd-2014-9-○-○」という形式のログが多数表示される件だが、そのいずれにもエラーの理由として「Watchdog: Thermal not updating...Thermal data unavailable」と記載されている。ハードウェア温度センサーのチェックに失敗しているようで、これは単なるiOS 8のバグだろう。
同じく大量にある「JetsamEvent-2014-09-○-○」エラーもiOS 8移行後に頻発しているもので、いずれもデータ通信を行うアプリを利用中に生成されたログだ。iOS 8のWi-Fi通信が不安定な理由や、データ通信を行うアプリのバッテリー消費量がiOS 7のときに比べて増えていることは、このログとなにか関係がありそうだ。今後のOSアップデート(iOS 8.0.x)で修正される可能性は高く、前述した「stacks+backboardd」のログとともにチェックしておきたい。