開発期間わずか3カ月

発表会の最後には質疑応答の時間が設けられ、記者からの質問に入江氏が回答した。従来のiPhoneよりも大型化したiPhone 6/6 Plusでは、端まで指が届かないユーザーがいると思うが、キーボード全体を端に寄せることはできるのかとの質問には、「提供開始段階では、実装することができなかったが、早急に対応させたいと思っている」と機能拡充を示唆した。

次に開発期間について聞かれると、「6月に行われたAppleのWWDC(開発者向けイベント)から着手したため、およそ3カ月間での提供となる。この期間でできるだけのことをしたと考えている」と報告した。なお、Android向けATOKの開発には、1年以上かかっているという。

続けて、開発にあたってiOSの仕様には苦労したと話し、「他のプラットフォームであったら、範囲選択など自社で開発できる機能もあるが、iOSの仕様上できることが限られていたため苦労した。ただ、そうした仕様はセキュリティを強めるという意味合いもあるので、制限の中で最良のものを提供できるよう開発した」と開発を振り返った。

iOSの仕様からインライン変換はできない

Bluetoothキーボードなどは今後に期待

サードパーティ製のキーボードを使用する際には、アプリがネットワークにアクセスしたり、データ通信を行う「フルアクセス権限」の許可を求められる場合がある。

そうしたフルアクセスを行わないでも「ATOK for iOS」が使えるかとの質問には、「基本的には、フルアクセスを行わないでも使用できる。ただし、いくつかの機能が制限されてしまう。単語登録ができなかったり、定型文が使えなかったり、学習機能が正常に機能しなかったりしてしまう。フルアクセスをしない状態での、学習機能に対応出来なかったため、誤って学習した単語や用法がそのままになってしまう」と、機能に制限が出ることを明かした。

また、Bluetoothキーボードなどのハードウェアには対応していないとし、「iOSの仕様の関係もあり、対応していない。対応するための技術的な目処が立っていない状況だが、何らかの対応策が見いだせれば当然ご提供したいと考えている」と今後の検討していく方針を示した。

iPad版その他利用イメージ

iPhone版その他利用イメージ