独自のROMER-Gメカニカルキーを搭載するフラッグシップキーボード「G910」

ロジクールの古澤明仁氏。新製品はベールで覆われていた

続いてロジクール クラスターマーケティングマネージャー古澤明仁氏が登壇。ステージ上でベールを被った新製品の説明を行った。

まずは簡単に、これまでのゲーミングデバイスを紹介。2002年にハイパフォーマンス製品として投入した「MX series」がゲーマーに好評だった背景から、2005年には「G-series」としてシリーズ展開を開始した。マウスに加えてキーボードとヘッドセットをそろえ、2013年からは「Logicool G」として新ブランド展開を行っている。金額・数量とも、国内シェアNo.1に成長しているという。

Logicoolゲーミングデバイスの歩み。MXシリーズは高性能モデルとして登場し、ゲーマーに受け入れられ、その後はG-seriesとして発展。2013年に「Logicool G」の新ブランドとなった

金額だけでなく数量ベースでもシェアNo.1に成長

Logicool Gのブランドテーマを「勝利の方程式:SCIENC WINS」として、ライバルに勝つためのデバイスを開発している。今回発表された新製品は、ゲーミングキーボードの新しいフラッグシップとなる「G910」だ。この製品は大きく3つの特徴があるという。

すでに海外ではG910の存在が知られていたが、実際に触れる製品が登場したのは東京ゲームショウ2014が世界初

ブランドテーマはSCIENCE WINS。ライバルに勝つためのデバイスという位置付けだ

マウスではG402(写真左上)とG502(写真右上)というフラッグシップ製品があるが、キーボードのフラッグシップとして投入するのがG910となる(写真下)

G910を加えた現在のゲーミングキーボードラインナップ。従来のフラッグシップだったG710もメカニカルキーボードだ

G910の三大特徴は、Romer-Gメカニカルスイッチ、RGBイルミネーション、ARXコントロール

新開発のROMER-Gメカニカルキースイッチ

1つ目の特徴は、ROMER-Gメカニカルキーだ。これはゲーミングのために新開発したスイッチで、従来より25%短い1.5mmのストロークで入力され、同じく従来より25%の高速化を実現したという。これだけだと、短いストロークが原因となる誤入力の恐れがあるので(軽く触れただけでスイッチが入る可能性)、スイッチ荷重を45gにするといったバランスの最適化を図っている。一方で、スイッチ寿命は7,000万回と40%増しになった。開発には2年を費やしたという。

開発に2年をかけたROMER-Gメカニカルスイッチは、オムロンの協力を得ている。スイッチが入るまでのストロークは1.5mm、耐久性は7,000万回の高パフォーマンスだ

改善はキースイッチにとどまらない。キートップについても、ゲーマー左手のホームポジション「ASDW」に注目し、触って分かりやすくホールド性を高めた「ファセットキーキャップ」を採用している。

ゲーマーの左手移動をサポートするファセットキーキャップ。一般的なキーボードは「F」と「J」にホームポジションを認識する突起があるが、ファセットキーキャップはゲーマーにとっての移動ホームポジション「ASFW」を分かりやすくしている

ファセットキーキャップのデモを見せてくれたStanSmith氏

物陰に隠れて、サッと出てすかさずヘッドショットを決めて、再び隠れるという神技。画面右上がStanSmith氏のキー操作

カスタマイズ可能なキーイルミネーション

2つ目の特徴はキーイルミネーションだ。すべてのキートップに対して、約1,680万色のイルミネーションを専用アプリケーションで設定できる。

RGBのフルカラーイルミネーション。個別にも設定できるほか、5種類のプリセットも用意

これも実際にデモンストレーションが行われた。よく使うキーを色で表示している例

StanSmith氏はキー入力のヒートマップを表示する機能を評価していた

スマートフォンと連携するARXコントロール

3番目がARXコントロールで、従来のロジクール ゲーミングキーボードが備えていたインフォメーション画面を、スマートフォンで表示するというもの。より広く、美しい画面でゲームをサポートする。イルミネーションとARXコントロールのSDKはデベロッパーに公開されるので、ゲームによっては「体力が限界に来るとキーボードが真っ赤になる」といった、特別な表示と処理が期待できるという。

ARXコントロールは、従来の一部キーボード(現行ではG510s)が持っていたインフォメーション画面を、スマートフォンで表示。iOS、Androidのアプリが公開される

スマートフォンの大きな液晶を使わない手はない、というのが開発のきっかけだという

イルミネーションとARXコントロールは、SDKがデベロッパーに公開されるという

G910の発売時期はこの秋とボカしつつ、クリスマスには間に合うタイミングでリリースする。価格はフラッグシップらしい価格だ

フォトセッション。左からDustelBox選手、古澤明仁氏、竹田芳浩社長、StanSmith氏

発表会後、デモコーナーにG910が展示された。LoL(League of Legends)ではTABキーを多用するが、瞬時の移動がやりやすいように、TABキーには右側の突起がない。キートップのくぼみは通常のキーボードよりも深めで、フィット感重視の印象を受けた