今回のApple Watchの投入は、初代iPhoneの時のようなデバイスではない。成熟したエコシステムにウエアラブル端末(Apple Watch)を加えたものだ。

Apple Watchが「要iPhone」なことが多くの人にとって不満ポイントの1つになっているようだが、単体機能も充実していた初代Apple TVと、単体でできることは限られる第2世代のApple TVの違い、そしてどちらが受け入れられたかを思い出してほしい。

現在のAppleのプラットフォームと連携するのはApple Watchの大きな強みである。ただ、現時点でその強みの可能性がどのように広がっていくか予想するのは難しい。「WatchKit」を用意して、サードパーティにも門戸を開放するようだが、iOSがそうであったように、実際にソフトウェア開発キットが登場するまでは、その先の展望は見えてこない。

Apple Watchを発表する動画を流した後、会場が総立ちになる中、Tim Cook氏は会場の喝采を受けずに同氏も会場の前列に向かって拍手を送っていた。その先にいたのは誰だったのか。Jonathan Ive氏なのかと思って調べてみたものの分からなかった。そうだったとしたら、Apple WatchはJonathan Ive氏率いるデザインチームの作品ということになる

個人的にはNike+やNike+ Runningを使っているので、腕時計ではなく、まずはフィットネストラッカーとして見てしまう。Re/Codeの記事を読むと、内蔵ストレージに音楽を入れて再生できるようなので、単体でiPodとNike+のような使い方ができるようだ。その上でiPhoneと連携し、豊富なアプリも使えるのだから、349ドルからという価格が妥当かは別にして、自分の生活にはけっこうフィットするような気がしている。