ドイツのベルリンで2014年9月5日から一般公開が始まった「IFA 2014」の東芝ブースでは、「lifenology-the technology that life requires」をテーマにした展示が行われている。

「lifenology(ライフノロジー)」とは、ライフとテクノロジーを掛け合わせた造語で、「人の生活に必要な技術を提供するのが狙い。人が技術に合わせるのではなく、技術を人に合わせていくことを意味している」と、東芝ライフスタイル ビジュアルソリューション事業本部VS(ビジュアル ソリューション)第一事業部グローバルマーケティング部・西岡竜大部長は語る。

展示内容は、技術をみせる展示だけに留まらず、利用シーンをも想定したものになっているのが特徴だ。東芝の技術力と実際の利用シーンとを連動させた提案では、近未来ディスプレイの展示コーナー「フューチャーゾーン」がある。

鏡になる84型ディスプレイや曲面型の4Kディスプレイ

105型の画面サイズを持つ、21:9の5Kテレビ

84型の画面サイズを持つ4Kミラーディスプレイを展示。東芝の文字が浮かび上がる

ここでは、5,120×2,160ドット・105型の画面サイズを持つアスペクト比21:9の5Kテレビを展示している。これは今年1月のCESでも展示されたものだ。今回の展示では、右側部分にクラウドとの接続によって得られる各種情報を表示するデモストレーションを行い、5Kテレビの活用方法のひとつを提示してみせた。

また、84型の画面サイズを持つ4Kミラーディスプレイを展示。通常は鏡として利用できるが、鏡のなかに4K画像を映し出すことができるのが特徴。高級ブランドショップをはじめとする店舗や、イベント会場などでの導入を想定している。

さらに、65型の4K曲面ディスプレイも展示。このディスプレイのために新たに開発した「近接画質モード」を搭載することで、近い位置から見た際の視認性と臨場感を実現しているという。

東芝が参考展示した4K曲面ディスプレイ。近接画質モードを搭載しているという

「曲面ディスプレイを搭載したテレビは、市場の動向をみて投入時期を決めていくことになる。東芝の曲面ディスプレイの提案は、近くに寄って見ることで、より臨場感を高めるということ。そのためには、4K画質であることに加えて、独自の近接画質モードが効果を発揮する」としている。

また、キッチン向けにも、各種情報を表示するディスプレイを展示。手を掲げるだけで情報を操作でき、レシピ情報を表示したり、離れた場所に住む家族とテレビ電話ができたりといった使い方が可能になる。さらに、洗面所スペース向けには、パーソナルヘルスケアディスプレイを用意。センサーを搭載したリストバンドからバイタル情報を入手し、目の前に立つだけで健康状況などを表示してくれる。また、鏡が語りかけてくれるように様々なメッセージが表示されるといった点も特徴のひとつだ。

キッチン向けのミラーディスプレイ。手を掲げるだけで情報を操作できる

目の前に立つだけで健康状況などを表示。鏡が語りかけてくれる

これらのミラーディスプレイの発売時期は未定だが、生活に新しい価値や利便性をもたらしてくれることになりそうだ。

「CEVO PICTURE」搭載の欧州向け4Kテレビ

一方、欧州向け液晶テレビでは、自社開発の映像エンジン「CEVO PICTURE」の採用により、高画質を実現した4Kテレビを参考展示。来年以降に欧州市場向けに発売を予定しているという。これは、「REGZA Z9X」をベースに開発したもので、会場では65型のほか、58型、50型を展示している。

自社開発の映像エンジン「CEVO PICTURE」の採用した4Kテレビ

65型のほか、58型、50型を展示している

発売時期が来年となるのは、欧州向けのカスタマイズが必要であるほか、現在、欧州市場でプレミアム2Kの製品が好調であり、4Kテレビとの価格差などを捉えた上でのマーケティング戦略を展開したいという思惑があるようだ。

さらに、新録画サービスである「MEDIAGUIDE REPLAY」に対応した欧州向け試作機も展示している。

MEDIAGUIDE REPLAYの画面。先週、今週の履歴から、次の録画予約番組を表示

MEDIAGUIDE REPLAY向けの「GUIDE」ボタンがついている

これは、視聴履歴などをもとに、オススメの番組を自動録画してくれるもので、来年以降にも製品化されることになる。さらに、iPadでもMEDIAGUIDE REPLAYの利用が可能になるアプリを提供。Androidデバイスにも対応していくことになるという。また、これまで欧州では発売していなかったツインチューナーテレビも来年にも市場投入を予定しているという。

iPadでもMEDIAGUIDE REPLAYの利用が可能になる