パナソニックは、ドイツ・ベルリンで9月5日から一般公開する「IFA 2014」のプレスデーとなる9月3日(現地時間)、欧州市場における家電事業を2018年度までに2倍規模に拡大し、AV機器とホームアプライアンスを合わせて150億ユーロの売上高を目指す計画を明らかにした。

また、オーディオ専用ブランド「Technics」を復活させ、2014年12月から欧州市場への投入を皮切りに、グローバルに展開することも発表した。

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会見で、パナソニック アプライアンス社 上席副社長 コールドチェーン・ホームアプライアンス事業担当兼冷蔵庫事業部長の本間哲朗役員は、「パソナニックは、プレミアムライフスタイルを提案する」と、白物家電事業における基本方針を説明。技術革新と向上を続けるデザインによって、独自性を持ったキッチンやリビングルームを実現する姿勢を示した。

プレミアムライフスタイルを打ち出すパナソニック アプライアンス社 上席副社長 コールドチェーン・ホームアプライアンス事業担当兼冷蔵庫事業部長の本間哲朗役員

さらに、アプライアンス社において、AVCと白物家電を一体化した体制を構築したことで、「革新的なデジタル技術と、家電事業で培った独自技術とを融合することで新たな製品やサービスが創出できる」とコメント。その上で、鏡に向かうだけで肌の状態を確認し、仮想的にメイクした映像を表示するといったことが可能にできるサービスを紹介した。このサービスについて本間氏は「これは、デジタルイメージング技術とセンサーにより、健康状況を計測し、表示する技術によって実現している」と説明した。

また、4K液晶テレビや調理家電製品などにおいても、インテリアに溶け込んだデザインを採用していることを強調。同社ブースで展示しているコンセプト展示「Better Living Tomorrow」におけるビルトイン型の各種家電製品がその象徴であることを示した。さらに、スロベニアのGorenje(ゴレーネ)との協業によって、新たな冷蔵庫や洗濯機などを発表。オートケア機能により、各種センサーを利用して最適な洗濯を行えることを紹介した。

これらの取り組みにより、欧州市場における家電事業を、2018年度には現在の2倍規模となる150億ユーロの売上高を目指すという。

会見では、パナソニック ヨーロッパのローラン・アバディ(Laurent Abadie)会長が、パナソニックが掲げる「A better Life, A better World」は、コネクティビティ、タウン、ホーム、コンシューマエレクトロニクス、モビリティ、エナジー、セーフティの7つの領域から実現していると説明。そのなかから、タウン、モビリティ、ホームでの具体的事例を示した。

パナソニック ヨーロッパのローラン・アバディ(Laurent Abadie)会長

アバディ会長が「FUJISAWAサスティナブル・スマートタウン」を訪れたビデオを通じて先進性を紹介

タウンでは、神奈川県藤沢市でパナソニックが展開している「FUJISAWAサスティナブル・スマートタウン」についてビデオを通じて紹介。アバディ会長が、現地を訪れて、最先端技術を活用することで、エコで快適なくらしが実現されている様子をみせた。また、モビリティでは、センサーを利用して自動車の運転者や歩行者などが安全に通行できるような仕組みを紹介。ホームでは、スウェーデンに住む家族がスマートフォンやタブレットを利用して、外からエアコンを操作したり、外出時には施錠をしたりといったスマートホームならではの利用シーンを紹介した。

センサーを利用して安全に走行する環境を実現

スウェーデンでのスマートハウスの事例

視覚や聴覚を通じて感動を爆発させる提案 - パナソニックの4K戦略

一方、パナソニック アプライアンス社 上席副社長 ホームエンターテインメント・ビューティー・リビング事業担当兼ホームエンターテインメント事業部長の楠見雄規役員は、「視覚や聴覚を通じて、感動を爆発させる提案」として、パナソニックが取り組む4Kワールドについて説明。

4Kワールドを説明するパナソニック アプライアンス社 上席副社長 ホームエンターテインメント・ビューティー・リビング事業担当兼ホームエンターテインメント事業部長の楠見雄規役員

コンシューマ、プロシューマ、ビジネスの3つの領域に対して、4K製品群を投入しているとし、薄型テレビやBDレコーダー、デジタルカメラ、ウェフラブルカメラのほか、4Kタブレット、4Kサイネージ、映像編集用モニターといった数々の4K製品群をスライドに示して見せた。

4Kビデオカメラ「HC-X1000」は実物を用いながら特徴を紹介

なかでも、今秋に発売予定の4K/60P記録に対応した4Kビデオカメラの新製品「HC-X1000」については実物を用いながらその特徴を紹介。多彩な用途に応える記録モードや、業務用カムコーダー開発のノウハウをつぎ込んだプロフェッショナル機能を搭載していることを強調した。

さらに4K液晶テレビでは、インテリアにあわせたデザインを採用した65型および55型の「AX900シリーズ」を、プレミアム4Kテレビとして発表。プラズマテレビを含めて長年培った色再現技術を惜しみなく投入しており、新開発の高速プロセッサーの搭載により、スマートテレビの機能も進化させたという。また、米パナソニック ハリウッド ラボラトリとの連携により、色の再現性にこだわっていることを示したほか、独自の高精度LEDバックライトコントロール技術などにより、圧倒的な4K画質を実現できることをデモスレトーションを通じて強調した。

NETFLEXやAmazonが配信する4K映像のストリーミングサービスも利用できるとした。同社では、AX900シリーズに加えて、85型の「X940シリーズ」、55型、48型、40型の「AX630シリーズ」も欧州市場向けに投入するという。