手の中に5インチが入る意味

このフレームレスの恩恵を直接的に受けるのは、端末サイズだ。「AQUOS CRYSTAL」のサイズは幅67×高さ131×厚さ10mm。これまで5インチディスプレイを搭載したスマホでは、「Nexus 5」が69mmを達成していたが、そこからさらに2mmも狭いのだ。スマートフォンにおいて「幅」は、片手で操作できるかどうかを決める最重要スペックの一つ。片手で持って片手で操作してみると、5インチの画面がそのまま5インチサイズで手の中に収まることのメリットを実感できた。

まずはウェブの閲覧だ。筆者がスマホを持つ理由の8割くらいはウェブを快適に見るためなので、画面が大きい方が当然ありがたい。ディスプレイサイズに関しては個人的に5インチが見やすさを分ける基準だと考えているが、これまでは5インチのスマホになるとどうしても片手で持って操作することが難しかった(筆者の手は小さいのである)。

ところが、「AQUOS CRYSTAL」ではそれが苦もなくできるのだ! 新機種の発表会で、フレームが細くなるたびに快適性が増していくのは体感していたのだけど、まさか5インチがここまで快適に操作できるようになるとは想像できなかった。

「画面が大きく、端末が細く」の恩恵は他にもある。電子書籍を読む際に、片手持ちのままページ送りが楽に行えるのだ。たとえば右手で端末を持ち、コミックなど右開きの書籍を読む場合、片手でページを送ろうとすると、画面の左に親指が届きにくくて、スワイプする動作が意外と大変なのである(何度も言うが、筆者の手は小さいのだ)。

これがフレームレスになることで、親指をこれまでよりもグッと伸ばすことができるようになった。小さなことだけど、読むたびに何百回も行う動作を少しでも快適にできるのはありがたい。