典型的な例でいえば、シャープへの液晶製造投資や、今回大きな話題になっているGT Advancedへの7億ドル投資など、「これだけ巨額投資を行って何も活用しないということはない」という将来計画に関する動きが丸見えに近い状態だ。
Apple製品でよくいわれる「驚き」や「魔法」といった体験が秘密主義から来ているものだったとすれば、少なくともそうした経験は今後のiPhoneから強く感じることはないだろう。これはiPhoneの魅力がなくなったというよりも、製品の安定供給の必要性からサプライチェーンを巨大化せざるを得ず、結果として秘密主義を貫きにくくなったことからくるものだと考えられる。
iPhoneがメジャーな製品となり、コモディティ化と引き替えに、それまでの「(大企業ながら)小規模で秘密主義」そして「フットワークのよさ」というベンチャー企業的な特徴を失ったのだといえる。