カシオ計算機のオリジナルスタンプメーカー「pomrie」が、報道関係者向けに「硬質面インク」の体験会を開催した。2013年11月の発売から10カ月、オリジナルスタンプづくりの手軽さや楽しさを通して、着実にクラフトファンの心をつかんできたpomrie。2014年7月にはスタンプ制作用アプリが待望のMac対応を果たし、さらに陶器や金属などに直接スタンプできる「硬質面インク」(4色)と、従来の紙用インクに2色の新色が追加され、より幅広い表現ができるようになっている。今回の体験会は、そんな「pomrieの楽しさを記者のみなさんにもぜひ体験してほしい」とのことで企画されたのだという。
ハンドメイド雑貨とpomrieのすてきな関係
まずは、マイナビニュースでも以前お話をうかがったpomrieの生みの親、デザインセンターの村田史奈氏が、pomrieの生い立ちと現状を簡単に説明。
PCやスマホのpomrieアプリに内蔵されたイラスト、文字、さらに自分で撮った写真などを組み合わせて、オリジナルスタンプが作成できる仕組みや、2014年5月のホビーショーでワークショップが大人気だったことなどが報告された。
今回の体験会では、ブログ「なつめの手仕事日記」主宰の人気ブロガー、なつめ氏を講師に、全員で「東欧風モザイクタイルのフォトフレーム」を制作することに。「自宅の新築をきっかけに、自ら家を育てるDIYや雑貨リメイク、ハンドメイドのアイデアをブログにつづるようになった」というなつめ氏。
pomrieと出会ったときの印象を、「スタンプはリメイク雑貨に自分らしさを出す重要なポイントなので、オリジナルスタンプが簡単に作れるpomrieはとてもいいツールだなとワクワクしました」(なつめ氏)と語り、DIYやインテリア関連にもフル活用できることを説明してくれた。
「東欧風モザイクタイルのフォトフレーム」を作ってみる
さて、フォトフレーム制作の手順も簡単にご紹介しておこう。材料は、ウッドのアンティーク風フレーム、22ミリ角の白い陶器タイル、接着剤、そしてpomrieで作成した15ミリ角スタンプ(2種類)と硬質面インクだ。
ほとんど100円ショップで買った物という話だったが、完成品はとてもそんな風には見えない仕上がり。センスのよさやアイデアはもちろんのこと、仕上げの1つとして使ったスタンプの効果が強調されていた。材料選びとスタンプの関連性を尋ねてみたところ、「今回は15ミリ角スタンプを利用したので、そのサイズを基準に絵柄がちょうど収まる22mm角タイルを探しました」(なつめ氏)とのことだった。
アンティーク調フォトフレームにする際は、タイルをフレームの縁から少し外側にずらしてウッドが見える位置にしたり、タイルを貼るときにまず四隅を外して仮置きし、誤差を調整してから接着剤で貼ったりすることがポイント。実際に筆者も制作してみたが、タイルの位置さえ決まればフォトフレームはほぼ完成。接着剤で貼り付けても微調整ができるため、失敗なく仕上げられた。
好きな色の硬質面インクを2色選んで、pomrieで作ったスタンプに染み込ませて完成させたら、好みの位置に仕上げのスタンプを押していく。「作例では東欧風を意識して青と赤を選びましたが、シックな組み合わせや1色でまとめてもすてきです。自由にスタンプしてみてください」とのことだったので、黒と茶を選んだ(図1)。
スタンプの印面にインクを染み込ませたら、数回スタンプして余分なインクを取る作業はこれまで同様(図2)。硬質面インクは乾きやすいため、印面に染み込ませたあとの待ち時間を少なくして(30秒くらい)、試し押しを始める。
クーラーの効いた部屋など、湿度が低い場所で扱うときは、待ち時間をもっと短めにするときれいにスタンプできるという。また、硬質面インクに付属するクリーナーを使い、スタンプした場所をティッシュで拭き取れば、納得がいくまで押し直しができるのも嬉しい。
1色だけスタンプ、2色をスタンプするといったように、タイルの上に自由にスタンプしたのち、完成した物がこちら(図3)。仕上がった他の作品を見てみると、タイル部分を1つのフレームとして全体的にスタンプする人や、作例と同じ赤&青のインクなのに和風の仕上がりになっていた人も。同じ模様のスタンプにも、参加者それぞれの個性が表れている点が興味深かった。
使い終わったあとは、何度かスタンプしてインクを薄くし、印面にクリーナーを染み込ませてインクが固まらないように溶かす作業をする。
ここでなつめさんは、薄地の梱包用包装紙や荷物用のタグなどを台紙にしてスタンプすると、後片付けをしながらオリジナルのラッピングペーパーやプレゼント用タグも作成できることを紹介(図4)。最後までスタンプを無駄なく楽しむためのアイデアも披露してくれた。
ちなみに、このタグは市販のままではなく、一度紅茶で染めてあるという。古びた雰囲気になることで、スタンプの滲みも味としてなじんでくれる。アンティーク感に醸し出すアイデアが随所に散りばめられていることに感心しきりだった。