日本企業や開発者も意欲的に対応するべき

スマートホームや健康・医療をスマートフォンから管理することができるようにしたApple。しかし気になることもある。WWDC14ではHomeKitやHealthKitに対応する企業の一部がスライドで紹介された。これらの企業は全て、米国向けに製品やサービスを提供している企業やブランドだったのだ。

日本と米国では生活様式が異なる。例えば、米国では当たり前のように描く過程に付いている「サーモスタット」。これをスマート化したNestはGoogleに買収され話題となったが、日本で暮らしていると、そもそも家にサーモスタットなどなく、よりスマートなリモコン式のエアコンが既に普及している環境だ。

このように、生活に密着すればするほど、国や地域によって異なるライフスタイルの影響を受け、グローバルで同じものを利用することが難しくなる。ところがAppleなどの米国企業は、米国でのライフスタイルと生活者にフォーカスしてイノベーションを進めようとしている。

足下の市場からまず取り組むことは正しい戦略だが、米国と同じようにiPhoneが普及している日本のユーザーが、最新の機能の恩恵に授かれないのはもったいない。Appleはプラットホームを用意した。あとは日本の家電企業や開発者が、Appleのプラットホームの活用へと舵を切るかどうかが問題だ。

HomeKit・HealthKitに対応する製品をリリースする企業のリスト。ガジェットや電球と行った小型サイズのものは日本でも利用できるが、それ以外の家電や作り付けの冷暖房機器などについては、日本で普及しておらず、また日本のメーカーの対応も特に発表されていない