パッケージ版 Lightroomの運命はいかに?
「フォトグラフィプラン」が正式プランに仲間入りしたことで、それに含まれるLightroomの製品パッケージ版は廃止される方向に行くのだろうか? それについて栃谷氏は、「サブスクリプションに不慣れなユーザーもいらっしゃるので、パッケージ版の開発や販売はこのまま継続し、サブスクリプションとパッケージ版の二本立てで提供していく予定です」と述べた。また、費用面では「バージョンアップごとに毎回アップグレードするユーザーなら間違いなくサブスクリプションのほうがお得」としながらも、会社や学校など予算に応じて1~2バージョンおきにバージョンアップするケースも多いため、一概にどちらが安いとは断言できないと述べた。
モバイルアプリやストレージのプロの活用例は?
前述したように、「フォトグラフィプラン」には、PhotoshopやLightroomだけでなく、iPadやiPhone用のモバイルアプリ、さらに2GBのストレージも含まれているが、実際にプロのユーザーはどのようなシーンで活用しているのだろうか?
その点について栃谷氏は「やはり、時間のない人に活用していただいているようです。特に多く聞くのが、現場で撮った写真をクラウドにアップロードしておき、移動時間にiPad上で撮影した写真の選別を行うといった使い方です」と述べた。
また、「モバイルデバイス上で細かい編集作業を行う意味はないです」と断言。その理由として、さまざまなカラーマネジメントやキャリブレーションが行えないモバイルデバイスでは、プロが本番作業を行うには荷が重いとしながらも、「Lightroom mobileによってRAWデータを表示でき、さらに簡易的な補正まで行えるのは、時間を有効活用したい人には大きな利点でしょう」と述べた。そのほか、「2GBのストレージを使って、クライアントと写真を共有することも可能です」と、同プランの付属ストレージの活用方法を紹介した。
「フォトグラフィプラン」の今後の方向性は?
もうひとつのモバイルアプリ「Photoshop Mix」は、見た目は親しみやすく効果もわかりやすいため、ハイアマチュアよりもむしろ初心者~中級者の心をとらえそうだ。では、今後フォトグラフィプランは、こうしたビギナー層までカバーする予定はあるのだろうか。 栃谷氏は、今後のフォトグラフィプランの方向性について「開発側としては、すべてのフォトグラファーに使っていただけるように努力していく」としながらも、「Photoshop Elements並み、あるいはもっとビギナー向けになるのかといえば、まだそこは今後の検討です」と述べた。一方、マーケティング側としては「これまで使いたくても使えなかったという人向けのために、使い方を紹介するWebサイトや勉強会、セミナーなどで紹介する活動をしていきたい」と語った。
最後に栃谷氏は、「今後のリサーチ結果によってユーザー層に応じた、あるいはユーザーからのフィードバックに応える形で、新しい機能やツールを臨機応変に提供していきたい」と語り、そうしたものをすぐに追加できるというのが、まさに今回のサブスクリプションのメリットだとし、インタビューを締めくくった。