6月19日に行われたアドビ システムズの「Creative Cloud 2014」製品発表会では、数々の主要アプリケーションのアップデートやモバイルアプリの新規リリースなどに加え、写真愛好家向けの新しいサブスクリプションサービスとして「Creative Cloud フォトグラフィプラン」(以下、「フォトグラフィプラン」)を発表した。
同プランは、「Photoshop CC」と「Photoshop Lightroom 5」というふたつのデスクトップ用アプリケーションのほか、Lightroomと連携して写真の加工をiOSデバイス上で行えるiPhone用アプリ「Adobe Lightroom for iPhone」やiPad用アプリ「「Adobe Lightroom for iPad」、iPad向けアプリとして新たに登場した「Photoshop Mix」、さらに「2GBのストレージ」を、月額980円という手頃な価格で利用できる。
同社が提供する「Adobe Creative Cloud」の各プランを総合的に見渡しても、この「フォトグラフィプラン」は"最安値"となる。そんな同プランの魅力や今後の展開などについて、同社のクリエイティブソリューション第一部 デジタルイメージング製品担当の栃谷宗央氏にお話を伺った。
PhotoshopとLightroomが安く使える"だけ"ではない
冒頭、栃谷氏は、6月の「Creative Cloud 2014」リリース時、非常に多くのアップデートや新しいモバイルアプリ、ハードウェア製品と同時に発表された「フォトグラフィプラン」のメリットが、ユーザーに十分伝わっていないと語った。
その理由として、「同プランを単に、Photoshop CCとLightroomが安く使えるプランと認識しているユーザーが多い」からだと言及。加えて、「確かに、あの高価なPhotoshopやLightroomを、月額980円で利用できるというのは価格的に魅力であることは間違いありませんが、決して、この2本が使えるだけのプランではありません」と断言した。
同プランでは、iPhoneおよびiPadで使える「Lightroom mobile」を利用できるが、それを知らないユーザーが多いという。同時に、アドビのサイトも一新され、AdobeIDでログインすることで自分用にカスタマイズされたページ内容となり、ナビゲーターの「写真」をクリックすることで自分で撮影した写真を一括管理できるようになっている点などもユーザーにあまり伝わっていないとコメント。デスクトップ用アプリケーションだけを提供するのではなく、モバイルアプリとWebサービスが一体となったプランであることを強調した。
Lightroomの機能や使い方をもっとアピールしていきたい
同プランの導入を検討中、あるいは導入したユーザーからの声について、同氏が把握している状況について伺った。すると、「従来のPhotoshopユーザーからは大歓迎されています。なぜならこうしたユーザーは、従来バージョンとの差分(つまり新機能)を知るだけですぐに理解してくれるからです」としながらも、一方で「Lightroomに関しては、便利な機能や使い方が理解されていないことが多い」と述べ、両アプリケーションに対するユーザーの理解度の落差が激しい実情を明かした。今後は、初心者ユーザーにアプリケーションの機能や使い方を基礎から知ってもらえるような活動を展開したいということだ。