Twin Frozr IVがGPUを強力に冷やす! MSI「R9 280 GAMING 3G」

始めにお伝えしたように、本機で採用されているGPUはAMD Radeon R9 280だ。立ち位置としては、NVIDIA GeForce GTX 760以上、同GTX 770未満というレンジの製品となる。元々はハイエンドに属していただけに発熱量が大きいGPUだが、8ミリ径のヒートパイプや2基の大型ファンを採用したGPUクーラー「Twin Frozr IV」を採用したMSI「R9 280 GAMING 3G」をチョイスすることで、熱暴走の心配なくその性能を発揮することが可能だ。また固体コンデンサやHi-C CAP、スーパーフェライトチョーク(SFC)などの高品質コンポーネントを採用しており、製品寿命を延ばすことにも成功している。ベンチマークでどのような性能を見せてくれるか楽しみだ。

グラフィックスカードはMSI「R9 280 GAMING 3G」。独自のGPUクーラー「Twin Frozr IV」がRadeon R9 280を強力に冷やしてくれる

GPUの熱をヒートパイプでヒートシンクに移動させ、2基のファンで確実に冷却する。重さでたわんだりしないよう補強もされており、長く使えそうだ

ベンチマークでMDV-RZ7500Xの実力を確認

それではベンチマークテストでMDV-RZ7500Xの性能を見ていくことにしよう。まずはWindowsシステム評価ツール「WinSAT」にて、Windowsエクスペリエンス インデックス スコアを確認。プロセッサ、グラフィックスいずれも8.5と、すこぶる優秀な数値だ。i7-4770Kでは8.1前後、GTX 760では8.3前後となるため、確実な向上が見て取れる。ストレージは5.9とHDDであることがはっきりとわかるスコア。ストレージの速度を調べる「CrystalDiskMark」の結果も同様に、一般的なHDDの速度となっている。家庭における一般的なPC用途での総合的な性能を測る「PCMark 8」のHome acceleratedの結果も同様で、Casual Gamingの値を筆頭にいずれも高い。Benchmark Durationの時間のみ、若干長めとなっている。

Windowsエクスペリエンス インデックス スコア
プロセッサ 8.5
メモリ 8.5
グラフィックス 8.5
ゲーム用グラフィックス 8.5
プライマリディスク 5.9

「CrystalDiskMark 3.0.3 x64」によるWestern Digital製HDDのベンチマーク結果

PCMark8 Home accelerated 3.0
Your Home accelerated 3.0 Score 4455
Web Browsing - JunglePin 0.317 s
Web Browsing - Amazonia 0.135 s
Writing 4.07 s
Photo Editing v2 0.242 s
Video Chat v2 / Video Chat playback 1 v2 30.0 fps
Video Chat v2 / Video Chat encoding v2 33.3 ms
Casual Gaming 116.8 fps
Benchmark duration 37min 29s

ゲームのベンチマークテストで3D性能を探る

続いて、3Dグラフィックスの性能を詳しく見ていくことにしよう。まずは「3DMark」のFire Strikeの結果だが、Graphics TestやPhysics Testのスコアが30fpsを超えており、CPU/GPUともに高い性能を備えていることが確認できる。非常に負荷の高いFire Strike Extremeにおいても3000を超えるスコアが確認でき、その総合性能は確かなものといえるだろう。続いて、AMD Radeon使用時に流れるような髪の毛の動きを楽しめる「Tomb Raider」のベンチマークだ。2560×1440で最高設定のUltimateを試した場合でも、30fps以上の性能を叩き出しており、実際にゲームが遊べるレベルとなっている。一昔前はとても重かったタイトルだけに、この性能向上はうれしい。

Futuremark 3DMARK
項目 Fire Strike1.1 Fire Strike Extreme1.1
3DMark Score 6899 3020
Graphics Score 7579 3054
Physics Score 11935 11892
Combined Score 2992 1372
Graphics Test 1 35.43 fps 15.07 fps
Graphics Test 2 30.8 fps 11.87 fps
Physics Test 37.89 fps 37.75 fps
Combined Test 13.92 fps 6.38 fps
Tomb Raider ベンチマークテスト
設定 最小FPS 最大FPS 平均FPS
1920×1080【High】 96.0 144.0 120.6
1920×1080【Ultimate】 42.0 72.0 56.3
2560×1440【High】 64.0 94.0 79.0
2560×1440【Ultimate】 31.0 46.5 38.3

合わせて、国産の人気オンラインゲーム2本も試しておこう。「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」では、2560×1440の最高品質でも"非常に快適"という結果が得られた。発売当初は多くのユーザーにグラフィックスカードの買い替えを促したタイトルだが、今ではWQHDという高解像度でも快適に遊べてしまう。「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」はすでにスコアが頭打ち状態となっており、ほとんど差が確認できない。ちょっと性能がもったいないくらいだ。

ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編
設定 スコア 評価
1280×720【最高品質】 16208 非常に快適
1920×1080【最高品質】 10500 非常に快適
2560×1440【最高品質】 7022 非常に快適
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.10
設定 スコア 評価
1920×1080【標準品質】 20053 すごく快適
1920×1080【最高品質】 19976 すごく快適

ベンチマーク時の消費電力やいかに?

最後に、消費電力について触れておこう。そのパフォーマンスや700Wという搭載電源から推察される通り、3DMark実行時には264Wまで消費電力が上がっており、さすがにゲーム中はファンの速度などもあがりがちだ。しかしグラフィックスカードの冷却機能なども相まって、不安定なところはない。ただしWindows 8.1のアイドル状態では57Wまで下がるため、普段使用する際に消費電力が高くて困ることはないだろう。必要なときにはパワーを発揮し、不要な際にはしっかりと抑える、ある意味メリハリのある結果といえる。

消費電力の調査結果
最低【Windows 8.1 アイドル時】 57W
最高【3DMARK実行時】 264W

12万円以下(税別)での新定番と成り得るハイパフォーマンス構成

ここまで確認した通り、Core i7-4790KとRadeon R9 280が実現する処理能力は、とても優秀だ。CPUが現状最高峰の性能を見せるのはもちろんだが、Radeon R9 280がコスト以上のパフォーマンスを見せていることに注目したい。Core i7-4790K+GTX 760モデルである「MDV-GZ7520X」は8月中旬現在119,800円(税別)、Core i7-4790K+GTX 770モデル「MDV-GZ7520X2」はHDDが2TBとなるものの、129,800円(税別)。それに対して「MDV-RZ7500X」は、GTX 760搭載モデルと同様の119,800円(税別)で購入が可能だ。ベンチマーク結果はGeForce GTX 760を超え、価格としては1ランク上となるGTX 770に迫るスコアを叩き出している本機の、お買い得度は非常に高い。CPU/GPUともに満足できるPCをお探しなら、本機はきっとその期待に応えてくれるだろう。当面はインテル 9シリーズの定番構成の一つとして、人気を得そうだ。

標準スペック

メーカー マウスコンピューター
型番 MDV-RZ7500X
CPU インテル Core i7-4790K
メモリ 16GB PC3-12800 DDR3
HDD 1TB SerialATAIII
チップセット インテル Z97 Express
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
グラフィックス AMD Radeon R9 280
OS Windows 8.1 Update 64ビット
LAN ギガビット(10/100/1000)LAN
インタフェース USB 3.0×6(前面×2、背面×4)、USB 2.0×2(背面×2)
サイズ W190×D490×H410mm
ディスプレイ
価格 119,800円(税別)

上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。

価格・構成については、2014/8/20(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。