今年のレアル・マドリードとFCバルセロナ

83年の歴史を持つリーガ・エスパニョーラでは、これまでレアル・マドリードFCバルセロナが世界のサッカーシーンをもリードする戦いを繰り広げてきた。優勝回数は前者の32回に対して後者が22回。二強だけで実に65%を占めているが、昨シーズンはそろってディエゴ・シメオネ監督のカリスマ性のもとで一致団結した、アトレティコ・マドリードの後塵を拝した。とはいえ、今シーズンも、二強が軸となることはいうまでもないのだ。

FCバルセロナはセンターフォワード型のスアレスが加わったことで、左にネイマール、右にメッシを擁する史上最強の3トップが誕生する。出場33試合で31ゴールをあげ、プレミアリーグの得点王を獲得したスアレスは一方で12アシストもマークするなど、周囲を生かす術にも長けているといえるだろう。

W杯2014で犯した“噛みつき行為”で、4カ月間のサッカー活動禁止を国際サッカー連盟から科されているスアレス。それでも、クラブ生え抜きのスペイン代表MFアンドレス・イニエスタは「ここ数年で最高の補強だ。ゴールへの野心を与えてくれるだろうし、ピッチ内にはよりスピードが加えられるはずだ」とスアレスがもたらす効果を歓迎する。そして、この加入により、メッシの決定力とネイマールの創造力に、ゴールに対して貪欲なスアレスの渇望力が加わることとなる。天才は天才を知る、という言葉があるように、彼らであれば、わずかな時間で見事なまでの融合を果たし、その洗練された連携プレーで観客を魅了してくれるのは間違いない。

一方、レアル・マドリードを率いて2年目となるカルロ・アンチェロッティ監督は、さらに厚みを増した攻撃陣に対して「彼らは全員が異なったポジションでプレーできる」と多様性を強調。先日の記者会見では、チャンピオンズリーグを3度も制した名将の風格を漂わせながら、ネオ銀河系軍何の操縦に自信をのぞかせていた。55歳のイタリア人指揮官は、成長著しい22歳のMFイスコを3トップの中央、いわゆる“偽9番”で起用する構想を描く。絶対的なストライカー兼ウインガー、ポルトガル代表クリスティアーノ・ロナウドとウェールズ代表ギャレス・ベイルを擁するがゆえに可能と踏んだのだろうか?

また、3トップの背後にロドリゲスクロースが並び、ブラジル大会で3ゴールをあげたフランス代表FWカリム・ベンゼマがベンチに座りかねない陣容は豪華絢爛と言えるだろう。トッテナム・ホットスパーから昨夏に加入し、今回のW杯2014には出場できなかったベイルは、チームとリーグへの自負を「ここには世界最高の選手たちが集まってくるんだ」と語っているところも興味深い。

二強が激突するダービー、“エル・クラシコ”は10月25日もしくは26日の第9節にレアル・マドリードのホームで開催される。スアレスの処分が解除されるのは、残念ながら10月26日予定。両雄がベストメンバーで対峙すれば、世界中から注がれる視線はさらにヒートアップするのは間違いないだろう。

いかがだっただろうか? ここまで読めば今季のリーガ・エスパニョーラがいかに興味惹かれるものかお分かりいただけたのではないだろうか。なお、現在リーガ・エスパニョーラ番組オフィシャルサイトではもっと詳しい情報をチェックする事ができる!また、8/23~26の開幕節5試合WOWOWで無料放送される。ぜひ、このチャンスを見逃さないでいただきたい!