さて、筆者は撮影セカンドステージとなる、8月7日の午後から取材を開始した。前日、前々日と旭川周辺では大雨による被害も出ており、コンディションを心配しながら現地入りしたが、東川町周辺では大きな影響はなかったようだ。
まさかのダッシュで撮影スポットに
7日午後の撮影エリアは、東神楽町・旭川空港周辺。選手たちは3台の巡回バスに分乗して、撮影スポットに向かっていくのだが、筆者は到着したばかりで、テンションがまったく追いついていない。
そんな中、前回優勝校の埼玉栄高校(3年連続9回目出場)が徒歩で移動するようなので、これ幸いと監督に同行をお願いした。快く許可をいただき、ほっとしたのもつかの間、選手たちがまさかのダッシュ開始!! 家具工場に向かうのだという。「ウチは体力勝負だから」と高橋朗監督。はたして、どのくらいの距離を走るのか?
移動の途中、玄関先で立ち話をしている人を見つけるや、選手の一人が駆けつけて元気に明るく声をかけて撮影をはじめる。田舎であるうえに、今大会では天候が悪いことも重なって"人"を見つけるのが大変なのだ。「本戦までくると、撮影技術より、人とのコミュニケーション。思い立ったらバーンと一歩踏み出す行動が必要になってくる」(高橋監督)。
目的地の家具工場はホームステイ先のご主人の勤め先。撮影にあたっての注意をいくつか受けてから、選手たちは撮りはじめた。しばらく観察していると、3人ともカメラを構えて撮るのだが、役割が分担されているようだ。それとも、行動が重複しないよう、臨機応変に動いているのか。1人が話しかけて、他の2人が異なる角度から表情を狙っていく。
道中、高橋監督は歩きながら、「写真甲子園は初戦を抜けて北海道に来るまでがとにかく大変。むこう(自分たちのホーム)で撮れても、こっちの現場(北海道)で撮れないということもある」と語った。やはり、初戦と本戦は別物なのだ。
一足先に集合場所に戻ると、次第に出場18校の選手たちも撮影データの提出に集まってきた。14時にメモリカードの提出が締め切られ、3台のバスは東川町のメイン会場へと発車した。この後、15時10分からの「セレクト会議」を経て、作品提出、公開審査会と進んでいく。
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