魅力的な「大幅値下げ」

iCloudは、AppleがMac・iOSデバイス向けに用意しているクラウドサービスだ。Apple IDと紐付き、5GBまでの無料ストレージと、icloud.comメールアドレス、連絡先やカレンダーの共有、iPhone・iPadのバックアップ、Pages・Keynoteやサードパーティーアプリのクラウドストレージ、「iPhoneを探す」といった機能が利用できる。

iCloud.comの表示画面。様々なサービスが提供されている

iOS 8のリリースに合わせて、iCloudの追加ストレージは大幅に値下げされる。

現在10GBで年間2,000円、20GBで年間4,000円、50GBで年間10,000円(米国ではそれぞれ20ドル、40ドル、100ドル)という値付けとなっているが、新しい価格は20GBで月額0.99ドル(年額およそ1,200円)、200GBで月額3.99ドル(年額およそ4,800円)となる。20GBで比較すると現在の7割引、200GBで比較すると、現在のおよそ9割引の価格となる。

この値付けは、他社のクラウドサービスと比較しても魅力的なものとなった。これまでのiCloudのストレージの価格は残念ながら非常に高かった。例えば50GBの追加するために年間10,000円かかるが、同じ料金を出せば人気のあるクラウドストレージサービスDropboxでは100GB、先進的な非同期型のクラウドストレージBitcasaでは1TB手に入る。

しかし今回の値下げによって、Dropboxの価格優位性は完全になくなってしまった。200GBの容量で比較すると、Dropboxでは年間199ドルかかるところを、iCloudでは年間48ドル弱で済むようになるからだ。ちなみに、Googleドライブでは、100GBで月額1.99ドル(年額およそ24ドル)とiCloud並の価格を出している。

もちろんiCloudよりもより大きな保存領域を魅力的な価格で利用できるクラウドサービスは存在する。しかしそれらをiPhoneで使おうとすると、追加アプリを介して利用しなければならない。同時に、次の項で述べる写真の管理がiCloud Driveをお金を払って利用する最大のメリットと言えるだろう。