その後、入所数年ほどの社員たち──中村有沙氏(あらた)、髙橋景氏(トーマツ)、山本紗綾香氏(あずさ)、砂塚恵氏(新日本)──も加わり、ダイバーシティに取り組む先輩諸氏の話を受けて、会計士の仕事とワークライフバランスについて話した。

「会計士はスタート。今後、コンサルタントなど多方面に生かせる」(中村氏)、「いろいろな人と話すことができ、いろいろな可能性がある」(髙橋氏)、「クライアントとのコミュニケーションが大切」(山本氏)、「人と人をつなぐ仕事」(砂塚氏)など仕事への思いが語られたほか、「女性だからとがんばりすぎない」(中村氏)、「優先順位を間違えないことが大切」(山本氏)など、ワークライフバランスへの考え方も述べられた。

司会進行役と基調講演者、各監査法人のダイバーシティ担当者、会計士が一堂に会した

日本では、結婚、育児がダイバーシティの大きなファクター

最後に自由なトークが繰り広げられたが、やはり、結婚や育児の問題に関心が向けられた。今回の登壇者には、同業者と結婚した人も何人か。「互いの仕事に理解がある」ことはよいが、「家でも仕事の話に」「互いに競い合ってしまう」など、二人の関係が険悪になる“あるある”話も飛び出し、盛り上がった。

また、日本では育児の問題がどうしても大きな問題であるという点で登壇者は一致。育休について、早期復帰を支援する会社がある一方、「子どもと向き合う期間も大切」「復帰時期には個人差がある」などの見解も。保育園の数や入れるタイミングなど、社会全体の課題であることが改めて認識された。

閉会に際して、関根氏は昔からの女性会計士仲間と毎年“女子会”をしているが、「会社は変わっても、みなさん会計士として働き続けている」と語り、「会計士は女性に向いている仕事である」と締めくくった。

あらた監査法人・中村有沙氏

有限会社あずさ監査法人・山本紗綾香氏

有限責任監査法人トーマツ・髙橋景氏

新日本有限責任監査法人・砂塚恵氏