高度を知って今いる標高が分かれば、ヤル気もアップ!

沢を渉る。加賀谷さんが、足の置き場所について指示をする

富士見平小屋を過ぎ、30分ほど歩くと、登山道はいったん谷に下りる。ここから山頂までは急な登りが続く。沢のそばで休憩を取っているとき、加賀谷さんが「ここでもう一度高度補正をしよう」と指示を出す。

地図によると、この地点の標高は「1,800m」。ここでも高度補正を行う。気圧の値から高度を算出しているため、気圧配置が変化すると実際の高度と高度計の数値に差が生じる場合がある。

加賀谷「標高が分かる地点でこまめに補正することが大事なんです。それにここから頂上まで一気に登るので、ここで正確な高度をつかんでおくことが、あとあと効くんですよ」

地図では標高1,800mとあるが、高度計は1,785mと表示(左)。高度補正を行い、高度計の表示を地図と同じ1,800mにセット(右)

巨大な岩の脇を通過。瑞牆山には、こうした大きな岩がたくさん点在している

登りの傾斜は増し、ところどころ両手を使って大きな岩を乗り越えたり、鎖をつかんで登ったりする難所も出てきた。慣れない急登に、つらそうな表情を見せるメンバーも。

先頭を歩く加賀谷さんは、たびたび後ろを振り返っては「ガンバ!」、「ファイト!」と明るい声をかけてくれた。その声に励まされるようにして、彼女たちも懸命に登っていった。

足元が不安定で登りにくそうな箇所では、加賀谷さんが上手な足の置き方を教えたりもしていた。初心者を連れて登るのは今回が初めてだそうだが、メンバーを気遣うその姿はとても頼りがいがある。

鎖を頼りに、不安定な箇所を通過する

難所の通過後は、加賀谷さんと「おつかれさま」とハイタッチ!

加賀谷「標高2,000mを超えたよ!」

ある地点まで着たとき、加賀谷さんがこう言った。みなもそれぞれに自分のPRW-3000を高度計測モードにして、現在地の標高をチェックする。

「さっきの沢から200mも登ってきたんだ!」
「もうそんなに登ったんだね」
「登りはあと200m。頑張ろう!」

みんなでPRW-3000を高度計測モードにして、現在地の標高を確認

ところどころで展望が開ける場所も。たまった疲れも吹き飛びます!

自分たちのこれまでの頑張りと、ここから先の行程が分かって、ちょっと疲れ気味だったメンバーたちにも元気が戻ってくる。さっき加賀谷さんが言った「効く」とは、まさにこのことなのだろう。

ふたたび鎖場。先に登った加賀谷さんが、後続のメンバーに登り方を教えてあげる

疲れたときは、足をとめて高度を確認。「あと100mもない……もうちょっとだ」