NEXTGEAR-NOTE i421GA1の内部を確認
それでは、「NEXTGEAR-NOTE i421GA1」の内部の様子を探ってみよう。背面カバーを開けるとまず目に入るのが、太い銅製のヒートパイプだ。このヒートパイプで、CPUとGPUの熱を吸収しヒートシンクへと熱を伝え、本体左側面からシロッコファンで排気させる。本体の左側面に端子が少ないのはこの通気口が存在するためだ。NEXTGEAR-NOTEの中でも上位に位置する本モデルのCPUは、インテルのクアッドコアCPU、Core i7-4810MQ。動作クロックは2.80GHzとなっており、さらにCPUの温度に余裕がある場合はターボ・ブースト機能により最大3.80GHzまで自動で引き上げられる。またハイパースレッディング機能に対応しているため、Windowsからは8スレッドのCPUとして認識。動画や画像加工などで処理能力の向上が期待できる。グラフィックス機能は、CPU内蔵のインテル HD グラフィックス 4600とNVIDIA GeForce GTX 860Mのハイブリット構成だ。負荷が低いときにはCPU内蔵グラフィックスが動作し、ゲームなどで負荷が高くなるとNVIDIA GeForce GTX 860Mに切り替わる。またNVIDIAコントロールパネルからアプリケーションを指定し、どちらのグラフィックスを利用するかを設定することも可能だ。
本体裏面のカバーを開けたところ。13.3型ながら、ほぼすべてのパーツが着脱可能な設計となっているため、自己責任となるが交換も容易だろう |
CPUとGPU、シロッコファンの様子。太いヒートパイプが、本体の左側面に熱を移動させるという排熱構造がよくわかる |
贅沢なSSD RAID構成のベンチマーク結果は?
メモリには、SK hynix製のDDR3L-1600メモリ、8GB×2枚が搭載されている。複数のゲームを同時に起動しても、メモリ不足で困ることはほとんどなさそうだ。2カ所に同じパーツが取り付けられているが、これは東芝製128GBのSSDドライブ。この2台をRAID 0構成として設定し、メインドライブに割り当てている。「CrystalDiskMark」で速度を確認したところ、シーケンシャルリード1000MB/S超えという素晴らしい結果が得られた。ゲームのロード時間短縮などに大いに活躍してくれることだろう。このSSDの裏面から見て左手に設置されているのは、2.5インチのHDD。こちらはWestern Digital製の1TBモデルとなっており、SSDの容量不足を補う役割を担ってくれる。SSDの隣りに見えるのは、無線LANモジュールだ。Realtek製のRTL8723BEが採用されており、IEEE802.11nに対応している。もし最新の規格であるIEEE802.11acへの対応を望むなら、BTOカスタマイズで変更しておこう。
SK hynix製のメモリが16GB搭載されている。DDR3Lを採用しているため、動作電圧は1.35V。交換も可能だが、16GBあれば容量不足に陥ることは当分なさそうだ |
2台搭載されRAID 0構成に設定されているSSDは、東芝のHG5d 128GB mSATAモデル。速度と信頼性で人気の高い東芝のSSDがうれしい人も多いはず |
データドライブとして、1TBのHDDも内蔵している。写真や動画などのデータや、読み込み速度が重要でないゲームなどはこちらに保存しておくといいだろう |
無線LANモジュールはRealtek製のRTL8723BE。IEEE802.11nに対応しており、まだそれほど普及していないIEEE802.11ac対応モデルよりリーズナブルだ |
RAID 0でC:ドライブとして構築された東芝SSD2台のベンチマーク。その速度は圧巻で、すでにSSDを使っている人でも速いと感じるだろう |
こちらは1TBのWestern Digital製HDDのベンチマーク結果。SSD RAIDとは比較にならないが、世の中の大半のデータはこの速度でもストレスなく扱える |
WQHDでゲームは動くのか? ベンチマークで確認!
それでは、各種ベンチマークソフトで本機の性能をチェックしよう。まずはWindowsエクスペリエンス インデックス スコアだ。Windows 8.1ではコントロールパネルから数値を確認できなくなっているため、 Windowsシステム評価ツール「WinSAT formal」にて計測を行う。結果はプロセッサとメモリにおいて8.1、そして「CrystalDiskMark」の結果を反映するかのように、プライマリディスクが8.4と高いスコアだ。
Windowsエクスペリエンス インデックス スコア | |
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プロセッサ | 8.1 |
メモリ | 8.1 |
グラフィックス | 5.9 |
ゲーム用グラフィックス | 5.8 |
プライマリディスク | 8.4 |
続いて、Futuremarkの定番ベンチマーク「PCMark8」と「3DMark」を試そう。PCMark8は文句のない数値が計測でき、家庭内での主な用途はしっかりこなせそうだ。3DMarkではNVIDIA GeForce GTX 860Mの実力が見えてきた。このあと行う2560×1440のテスト結果に期待したい。
PCMark8 Home conventional 3.0 | |
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Your Home conventional 3.0 Score | 2883 |
Web Browsing - JunglePin | 0.366 s |
Web Browsing - Amazonia | 0.153 s |
Writing | 4.68 s |
Photo Editing v2 | 0.417 s |
Video Chat v2 / Video Chat playback 1 v2 | 30.0 fps |
Video Chat v2 / Video Chat encoding v2 | 61.0 ms |
Casual Gaming | 30.0 fps |
Benchmark duration | 31min 12s |
Futuremark 3DMARK「Fire Strike 1.1」 | |
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3DMark Score | 3674 |
Graphics Score | 3925 |
Physics Score | 8786 |
Combined Score | 1562 |
Graphics Test 1 | 18.81 fps |
Graphics Test 2 | 15.62 fps |
Physics Test | 27.90 fps |
Combined Test | 7.27 fps |
それでは、2560×1440の解像度でゲームのベンチマークを試してみよう。テストしたのは「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」「Tomb Raider ベンチマークテスト」の2本だ。それぞれWQHDとフルHDで計測を行っている。結果は予想以上に良好だ。ファイナルファンタジーXIVでは、2560×1440・最高品質でも"やや快適"というスコアを達成しており、十分ゲームが遊べるレベル。Tomb Raiderは2560×1440・Ultra設定では厳しい様子を見せるものの、Normal設定ならば平均FPSは57.4。快適に遊べるであろうスコアを記録した。
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編 | ||
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設定 | スコア | 評価 |
1920×1080【高品質(ノートPC)】 | 7699 | 非常に快適 |
1920×1080【最高品質】 | 5729 | とても快適 |
2560×1440【高品質(ノートPC)】 | 4640 | 快適 |
2560×1440【最高品質】 | 3451 | やや快適 |
Tomb Raider ベンチマークテスト | |||
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設定 | 最小FPS | 最大FPS | 平均FPS |
1920×1080【Normal】 | 76.0 | 108.0 | 92.7 |
1920×1080【Ultra】 | 36.8 | 54.0 | 45.0 |
2560×1440【Normal】 | 48.0 | 68.0 | 57.4 |
2560×1440【Ultra】 | 23.3 | 32.0 | 27.8 |
WQHD液晶を活かせるパーツを組み合わせた最新ゲーミングモバイルノート
2560×1440という解像度の液晶パネルは、まだまだ採用が少ないが、高精細化によって得られるドット感のない画面は素晴らしいものだ。ただしゲーミングPCにおいて、ドットバイドット表示が一番美しい「液晶」というデバイスには、液晶解像度の上昇がそのままゲームの解像度の上昇につながるという問題がある。つまり、2560×1440の液晶をゲームで活かすためには、本体に求められるスペックがこれまで以上に高くなってしまうということだ。高解像度液晶ディスプレイを搭載したゲーミングPCが発売された際には、スペックに注意してほしい。幸い、NEXTGEAR-NOTE i421GA1は、2560×1440のパネルを活かすことのできるハイパフォーマンスな構成を採用している。そして、2560×1440を活かした作業やゲームを行いたいのなら、本機は確実にその要求を叶えてくれるモデルだ。G-TuneブランドのゲーミングPCではあるが、ゲームのみならず持ち運べる高解像度ノートPCとして、さまざまなシーンで活躍してくれるだろう。
標準スペック
メーカー | マウスコンピューター |
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型番 | NEXTGEAR-NOTE i421GA1 |
ディスプレイ | 13.3型WQHDノングレア液晶 |
CPU | インテル Core i7-4810MQ |
メモリ | 16GB PC3-12800 DDR3L SODIMM |
SSD | 【RAID 0】256GB(128GB×2、mSATA接続) |
HDD | 1TB SerialATAII |
チップセット | モバイル インテル HM87 Express |
光学ドライブ | - |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX 860M |
OS | Windows 8.1 Update 64ビット |
LAN | ギガビット(10/100/1000)LAN |
インタフェース | USB 3.0×3(右側面×3)、USB 2.0×1(左側面×1) |
サイズ | W330×D227×H31.9mm(折り畳み時) |
重量 | 約2.1kg |
バッテリー駆動時間 | 約6.5時間 |
価格 | 179,800円(税別) |
上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。
価格・構成については、2014/8/1(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。