企業を成長させるためには?
決算説明会の最後に、質疑応答の時間がもうけられた。記者から「ワイモバイルとの提携では、どのように収益を伸ばしていく考えか」との質問があがると、同社取締役最高財務責任者の大矢俊樹氏は「当初はイー・アクセスの買収により、通信事業そのものが売上利益に貢献すると見込んでいた。業務提携によりそれはなくなったが、Yahoo!プレミアム会員などのサービスで連携することによるシナジーは得られる。このほか、Android端末という起点ができたことで、リアルの商材の販売にもつなげられる」との見方を示した。
営業利益を2倍にする、と豪語する宮坂社長。記者から「企業を成長させるために必要なことは何か」と問われると、「いま強い事業を伸ばすこと。それに加え、常に新しい事業を起こしていくことが必須。ヤフーは広告やeコマースに代わる、第2、第3の事業を起こす機会を常にうかがっている」と回答。イー・アクセス買収の一件も、そうした考えに基づくものだったという。
市場のトレンドがPCからスマートフォンへと移行しつつある昨今。記者からは「ヤフーの検索連動型広告が思ったほどは伸びなかった背景には、検索エンジンのシェアがGoogleに奪われていることが挙げられるのではないか」との指摘があった。これに対し、大矢氏は「ヤフーが独自に調べた結果」であると断った上で、「iOSではGoogleと互角のシェアを維持できている。Androidでは3対7ほどで負けている」と回答。ただ、「"肌感"としてはiOSでのシェアがじりじりと上がってきている感覚がある」とし、スマートフォン市場全体を俯瞰すれば「順調にユーザーとサービスの利用者を集めている」とポジティブに総括した。
(記事提供: AndroWire編集部)