ヤフーは31日、2014年度第1四半期の決算について発表した。それによると、売上高は999億円(前年同期比2.8%増)、営業利益は487億円(0.5%減)だった。都内で開催された説明会に登壇した同社代表取締役社長・CEOの宮坂学氏は「第1四半期としては、過去最高の売上高だった」と好調ぶりをアピールしている。本稿では、スマートフォンとの兼ね合いとなる部分を中心に紹介する。

登壇し、ヤフーの2014年度第1四半期の決算について説明する同社 代表取締役社長・CEOの宮坂学氏

スマートフォン関連の事業に軸足を移しつつある同社。第1四半期ではスマートフォン広告売上高が+87億円(前年同期比93.9%増)となるなど、広告事業において順調に業績を伸ばしている。eコマースの取扱高においても、スマートフォン経由比率は前年の23.6%から31.8%へと伸長した。

第1四半期ではスマートフォン広告売上高などが伸長した

iOSとAndroid向けに提供しているアプリは、累計ダウンロード数が1億9千万DLに到達した。PC経由の検索数が減少傾向にあるなか、スマホ経由の検索数が増加しているという。

iOSとAndroid向けに提供しているアプリは、累計ダウンロード数が1億9千万DLに到達した。スマホ経由の検索数が増加している

検索連動型広告の、検索あたりの売上はPCの方がスマホより高い。しかし、ディスプレイアドネットワーク(YDN)に関してはスマホの売上が伸び、PCと同等の水準にまで成長した。YDNとは、ユーザーが閲覧中のページに最適な広告を表示する仕組みのこと。このジレンマを、宮坂氏は「ポジティブなことと、少し良くないことが同時に起きている」という言葉で表現した。

検索連動型広告の、検索あたりの売上はPCの方がスマホより高い。しかし、YDNに関してはスマホの売上がPCと同等の水準にまで成長した

「これまでは、ユーザーが能動的に検索機能を使っていた。しかし今後は、必要な情報の方からお客様を見つけるようになる」と宮坂氏。ビッグデータを活用することで、ヤフー検索を「他社さん以上に、お客様に対してぴったりな情報をお届けできる」検索サービスにしていきたい考えだ。

今後、必要な情報の方から利用者を見つける「パーソナライズ」化が進むと予測