Windows 8.1での快適度をベンチマークで確かめる

ここからはベンチマークで「LM-AR312B」のパフォーマンスを検証していこう。まずはWindowsの動作速度の指針となるWindowsエクスペリエンス インデックス スコア。プリインストールされているWindows 8.1では、従来のようにシステムからの確認が行えなくなっているため、Windows システム評価ツール「WinSAT formal」を用いて計測を行った。結果は下記の通りとなり、プロセッサとメモリ項目が7.6、グラフィックス2項目が5.9となった。グラフィックス項目は、CPU内蔵グラフィックスを使用した場合のスコアとしてはトップクラスの性能だ。プライマリディスクは5.9と、HDDであることが推察できるスコアとなっている。

Windowsエクスペリエンス インデックス スコア
プロセッサ 7.6
メモリ 7.6
グラフィックス 5.9
ゲーム用グラフィックス 5.9
プライマリディスク 5.9

さらにCPUとストレージの性能を詳しく確認してみよう。CPUの性能を見るMAXONの「CINEBENCH R15」ではCPU 302cbと、クアッドコアCPUを搭載したPCとして順当なスコアが確認できる。ストレージのパフォーマンスを測る「CrystalDiskMark」は、SSDとHDDのデュアルドライブ構成が多くなっている昨今、SSDの数値を見慣れている方にとっては物足りない結果となった。OSをインストールしたHDDとしては十分なスコアなのは間違いないのだが、SSDと比べるとパフォーマンスは落ちる。もし可能なら、BTOカスタマイズによるSSDの追加を検討したい。実際の快適度もかなり変わってくるはずだ。

「CINEBENCH R15」ベンチマークの結果

「CrystalDiskMark」ベンチマークの結果

3DMARKと国産ゲームベンチでグラフィックス性能を確認

次に、FUTUREMARKの定番3Dベンチマーク「3DMARK」にてグラフィックス性能のチェックを行う。省電力なゲーム用PCとして使用する人も多いであろうことを考え、計測にはDirectX 11世代のゲーミングPC向けテスト「Fire Strike」を利用した。結果は「1172」。かなり健闘しているが、グラフィックスカード搭載PCには及ばずといったところだ。それでもCPU統合型グラフィックスとしては立派なスコアなので、最新ゲームを高解像度で動かすのでなければ、それなりのパフォーマンスは期待できるだろう。

Futuremark 3DMARK「Fire Strike」
3DMark Score 1172
Graphics Score 1276
Physics Score 4159
Combined Score 436
Graphics Test 1 6.24 fps
Graphics Test 2 5.0 fps
Physics Test 13.21 fps
Combined Test 2.03 fps

続いて、人気国産ゲームのベンチマークソフトで、ゲーム上での性能を測っていこう。今回は「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」「ドラゴンクエストX ベンチマーク」にて計測を行った。結果は期待以上のもので、ファイナルファンタジーXIVではフルHD(1920×1080)のデスクトップPC標準品質まで"やや快適"以上。さらにドラゴンクエストXではフルHDの最高品質でも"普通"にプレイできるスコアとなった。実際のゲームでは状況によって重めになるシーンもあると思われるが、Radeon R7の実力は確かなものであることが確認できた。

ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編
設定 スコア 評価
1280×720【標準品質(デスクトップPC)】 5867 とても快適
1280×720【高品質(デスクトップPC)】 3185 やや快適
1920×1080【標準品質(デスクトップPC)】 3038 やや快適
1920×1080【高品質(デスクトップPC)】 1566 設定変更を推奨
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.10
設定 スコア 評価
1280×720【標準品質】 7339 とても快適
1280×720【最高品質】 5706 快適
1920×1080【標準品質】 6630 快適
1920×1080【最高品質】 4371 普通

最後にワットチェッカーを利用して消費電力を確認しておこう。Windows 8.1のアイドル時の電力は、A10-7700Kの省電力機構に加え、デバイスの少なさもあり、27Wとすこぶる低い。これなら家庭でもオフィスでも電気代を気にせずに使えそうだ。一方、ピーク時の電力は101W。強力なGPUを内蔵しているため、この程度は仕方ないというところだろう。逆にいえば、3Dグラフィックスを使用しなければ低いままと見ることもできそうだ。

消費電力の調査結果
最小【Windows 8.1アイドル時】 27W
最大【3DMARK実行時】 101W

プリインストールソフトもシンプルかつ実用的

プリインストールされているソフトは「CyberLink Media Suite」「Cyberlink PhotoDirector」「マカフィー インターネットセキュリティ」といった実用的な定番ツール類のみだ。ほぼ素のままのWindows 8.1の構成となっており、無駄に負荷を与えるようなソフトは入っていないのがうれしい。またU-NEXTの30日間無料チケットが特典として付属しているので、興味のある方は試してみてもいいだろう。デスクトップにU-NEXT専用ページへのショートカットが設置されているので、簡単に登録が行える。

RAWデータの現像に対応し、デジカメ写真の編集や管理ですぐに役立つ「CyberLink PhotoDirector」

マウスコンピューター製品の購入者特典として、U-NEXTのビデオ・オンデマンドサービスを30日間無料で利用できる

バランスに優れたAPU搭載の高コストパフォーマンス機

LM-AR312Bは、ベンチマークで確認できる通り、CPU、GPU性能のバランスに優れたデスクトップPCだ。人気のPCゲームも十分実用的な速度で動作させることができ、消費電力も少ない。このPCが5万円台(税別)で購入できるのだから、PCの進化の速度には恐れ入る。同時に安価なモデルだからといって、ケースなどのパーツ類も侮ってはいけない。例えばケースは、細やかなユーザビリティを向上させつつ、抑えられるコストはしっかりと抑えた大変実用的なものとなっている。今年の夏も暑そうだ。お財布にも優しい本機のようなシンプル構成のPCで、消費電力を抑えつつゲームを楽しむのもいいのではないだろうか。

標準スペック

メーカー マウスコンピューター
型番 LM-AR312B
CPU AMD A10-7700K APU
メモリ 8GB PC3-12800 DDR3
HDD 500GB SerialATAIII
チップセット AMD A78 FCH
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
グラフィックス AMD Radeon R7 シリーズ
OS Windows 8.1 Update 64ビット
LAN ギガビット(10/100/1000)LAN
インタフェース USB 3.0×4(前面×2、背面×2)、USB 2.0×2(背面×2)
サイズ W180×D382×H373mm
ディスプレイ
価格 54,800円(税別)

上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。

価格・構成については、2014/7/23(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。