――他にも仕掛けていたという細かいドッキリとはどんないたずらだったんですか?
石原:大丈夫ですか? 言えますか?
玉木:今回でいうと時生くんがそういう立ち位置に入ってくるわけですよ。
石原:自らね(笑)。
玉木:地方キャンペーンでは、時生くんと2人で回ることも多かったので、いじり倒してやろうかなと思っていました。
石原:あははは!
玉木:いじられキャラなんですけど、後輩には先輩風吹かすらしいんですよね。
石原:本当ですか(笑)!? 時生くんがデビューした作品で一緒だったんですよね。あの時はすっごく子どもで、ピュアでキラキラした目をしていたのに、一気にヒゲを生やした男になっちゃって(笑)。
――李監督は「明るく楽しく」をモットーとされているそうですが、撮影現場はどのような雰囲気だったのでしょうか。
玉木:僕はこの作品のあとにも2作続けて出させていただいたのですが公開待機作『神様はバリにいる』)、基本は明るいですね。でも気を遣って明るくしているというか。すごく繊細なんですよね。人の出方をうかがいつつ、自分はどう出るか。そういうことを考えて明るくされる方だと思います。
石原:よく話されるんですけど、話す意図は盛り上げたいとか、空気を作ろうとか。私たちが集中している時とかは、心配されることもありました(笑)。集中なのか、疲れてるのか、不安なのか、監督の中できっと探っている部分があって。テンション、集中の仕方、役柄とか、演じる人それぞれにきっと違いがあると思うんです。監督は「おっ、今日元気ないね」みたいに声をかけてくださいました(笑)。
――李監督は千葉雄大さんの乳首をつねって演技の指示をしていたそうですが、それもその人に合わせた向き合い方だと。
玉木:そうだと思います。人を見て自分がどういう立ち位置に入るべきかということを考える方だと思います。
石原:玉木さんといる時は、監督は楽そうでしたね。玉木さんみたいにニュートラルな方だと。すごく安心してるんだろうなと見てて思いました。
玉木:特にいじられることもなく(笑)。ただ、後ろから見ると監督の性別って分からないんですよね。
石原:あはははは!
玉木:おばちゃんかな? みたいな(笑)。
――初共演でしたが、共演シーンで印象に残っている場面は?
玉木:"いい感じ"のシーンがあったんですが…あそこのロウソクを誰が消したんだろうかと(笑)。
石原:そうそうそう(笑)。
玉木:どこからともなく風が来て、ロウソクがシュッと消えるんですよね。
石原:そのシーンもすてきでしたけど、"犬を怖がる勝海舟"もなかなか好きでしたね(笑)。
――次回はどんな作品で再会したいですか。
玉木:こういう作品に出させていただくと、対極にあるものに対しての意識が強くなるので、次は現代劇でも時代劇でもいいんですが、もっと泥臭いものがいいですね
石原:1カ月半撮影して、すごく居心地が良かったので、もっと長い撮影だったり、連ドラとかだったら楽しい時間が過ごせるのかなと思います。
――それでは最後にメッセージをお願いします。
玉木:時代劇だからといって特別難しいことを考えて観る映画ではないですし、現代劇と融合していることで時代劇だけだと観づらいなと思う人でも楽しめる、エンターテイメントと時代劇がいいバランスを保った作品だと思います。
石原:歴史が好きな方が見ても楽しめると思いますし、私が教師役で生徒たちに歴史を教えるシーンが出てきますので、何の下準備もせずに見ても歴史的な背景を分かってもらえる内容だと思います。勝海舟の役柄もポップというか、今までにない描かれ方なので、堅い映画じゃなくて、面白くて、分かりやすい作品というイメージが伝わればいいですね。
■玉木宏
1980年1月14日愛知県生まれ。2001年の映画『ウォーターボーイズ』で注目を集め、2003年のNHK連続テレビ小説『こころ』に出演。2004年の映画『雨鱒の川 -初恋のある場所-』で映画初主演を務める。2006年のフジテレビ系ドラマ『のだめカンタービレ』で人気を不動のものとし、2007年にはエランドール賞新人賞を受賞。現在、映画『神様はバリにいる』の公開を控えている。
■石原さとみ
1986年12月24日生まれ。東京都出身。第27回ホリプロスカウトキャラバンでグランプリを受賞。東陽一監督作『わたしのグランパ』でデビューし、数々の新人賞に輝いた。今年はドラマ『失恋ショコラティエ』での小悪魔キャラが話題に。映画出演作は、『北の零年』(2005年)、『インシテミル7日間のデス・ゲーム』(2010年)など多数。今年は本作のほか、『MONSTERZ モンスターズ』に出演。