日立アプライアンスは23日、「真空チルド R-X6700E」をはじめとする大容量冷蔵庫3シリーズ11機種を発表した。同日、東京都内で報道関係者向けに新製品発表会を開催し、実演なども交えながら、新製品の機能や性能などを紹介した。
"野菜を眠らせる"冷蔵庫はなぜ誕生したか?
まずはじめに登壇したのは、日立アプライアンス 取締役 家電事業部長 松田美智也氏だ。同社はこれまでにも独自の高鮮度保存技術「スリープ保存」を冷蔵庫に搭載しており、今回はその技術を野菜にも活かしたという。
続いて製品について、同社 商品計画本部 キッチン商品企画部 部長代理 南雲博文氏から説明があった。南雲氏によると、実際の野菜摂取量はどの世代でも厚生労働省が推奨する基準に達していない。また、野菜の廃棄量は肉類などに比べて最も多く、捨てられた食品全体の2割を占めている。こういった点から野菜の保鮮についてのニーズが高いのではないか、と分析した。
続いて同社 家電事業部 栃木家電本部 冷蔵庫設計部 主任技師 山脇信太郎氏が登壇し、技術説明を行った。今回「真空チルド R-X6700E」に搭載された「スリープ野菜」は、野菜を眠らせて栄養素やみずみずしさを保つ技術。そのカギとなるのは炭酸ガスだ。炭酸ガスが充満した庫内で野菜を保存すると、野菜の呼吸が抑制されて眠った状態となる。眠らせて保存することでみずみずしさを守り、さらには栄養素の減少も抑制できるという。
「真空チルド R-X6700E」では、光触媒技術で庫内のニオイやエチレンガスを分解し、炭酸ガスを生成。炭酸ガスの濃度を高めるために密閉性の高い構造とした結果、炭酸ガス濃度は従来の野菜室の2倍となった。また、「うるおいユニット」により、高い湿度の維持と結露の抑制を両立した。
野菜だけでなく、肉や魚の保存に適した「真空チルド」機能も進化したという。従来の「フレッシュカセット」は、ワサビなどに含まれる辛み成分のみを放出していたが、今回新しく搭載された「抗酸化フレッシュカセット」は辛み成分に加え、抗酸化成分も放出するようになった。省エネ対策としては、今回新たに「ハイブリッド除霜システム」を採用。ファンによる除霜と2つのヒーターで効率的に除霜する。