クアッドコアCPU「Core i7 4700HQ」によりハイパフォーマンスを実現

それではまず、「MO-i2400S-SH」のスペックを確認していこう。CPUには、インテル第4世代Core iシリーズのクアッドコアモデルとなるCore i7 4700HQを採用している。動作クロックは2.40GHzで、ターボ・ブースト機能利用時のクロックは最大3.40GHz。ハイパースレッディング機能にも対応しているため、Windows 8.1からは8スレッドとして扱われ、動画のエンコードや写真のレタッチなどでは、特にその処理能力を十分に活かすことができるだろう。メモリは標準で8GBを搭載し、1.35Vの低電圧で駆動するDDR3L-SODIMMを採用。3Dグラフィックスは、CPUに内蔵されたインテル HD グラフィックス 4600が使用される。

デバイスマネージャで確認できる本機のハードウェア群。プロセッサはハイパースレッディング機能により8スレッドとして扱われる

ストレージはSSDとHDDの2台構成。ネットワーク周りの機能も充実

ストレージはSSDとHDDのデュアル構成。SSDにはADATA XM21Eが採用されており、容量は128GBだ。Windowsから確認したときの容量は103GBとなり、80GBの空き領域が確保されている。HDDはWestan Digital製の1TB。回転数は5400rpmだ。アプリケーションのインストールはSSDに、データはHDDにと保存場所を使い分けることで、快適な速度を維持しながら運用できるだろう。無線LANにはIEEE802.11ac/a/b/g/n対応のインテル Dual Band Wireless-AC 3160を搭載しており、acに対応した無線ルータを用意すれば、最大通信速度433Mbpsの高速通信が利用可能。さらにBluetooth V4.0+LEも内蔵される。また有線LANコントローラに、通信時のCPU負荷軽減やネットワーク遅延を抑え、特にオンラインゲームプレイ時に効果があるといわれるatheros killer e2200を搭載している点にも着目したい。

atheros killer e2200では、自宅からのインターネット速度を計測し、パフォーマンスを最適化することが可能だ

ベンチマークでそのパフォーマンスを検証

それでは、ベンチマークテストで本機の実力を調べてみよう。まずはWindows システム評価ツール「WinSAT formal」を利用して、Windowsエクスペリエンス インデックス スコアの結果を確認する。4コア8スレッドで動作するCore i7 4700HQの実力は確かなもので、その数値は"8.1"と極めて高く、デスクトップPC用のCPUにも引けを取らない。CPU内蔵のグラフィックス機能を利用しているためグラフィックス項目こそ低めなものの、Windows 8.1を扱ううえで困ることはないだろう。プライマリディスクのスコアはSSDの効果により非常に高く、こちらも"8.1"という数値になっている。

Windowsエクスペリエンス インデックス スコア
プロセッサ 8.1
メモリ 8.1
グラフィックス 5.9
ゲーム用グラフィックス 5.6
プライマリディスク 8.1

続いて、futuremarkのベンチマーク「PCMark8」と「3DMark」、ストレージの速度を検証する「CrystalDiskMark」でテストを行った。Windowsエクスペリエンス インデックス スコアでの数値に続き、PCMark8でも期待通りの結果が確認できる。CPU内蔵のグラフィックス機能を利用しているため、3DMarkは「Cloud Gate」にてテスト。最新の3Dゲームでは厳しいかもしれないが、軽めのゲームや3Dアプリケーションではそれなりの力を発揮してくれそうだ。CrystalDiskMarkの結果では、SSDとHDDの値の違いに注目してほしい。SSDのスピードが際立っているのがわかる。

PCMark8 Home conventional 3.0
Your Home conventional 3.0 Score 3053
Web Browsing - JunglePin 0.136 s
Web Browsing - Amazonia 0.317 s
Writing 3.94 s
Photo Editing v2 0.425 s
Video Chat v2 / Video Chat playback 1 v2 30.0 fps
Video Chat v2 / Video Chat encoding v2 61.0 ms
Casual Gaming 27.9 fps
Benchmark duration 30min 24s
Futuremark 3DMARK Cloud Gate
3DMark Score 7030
Graphics Score 7388
Physics Score 6012
Graphics Test 1 31.95 fps
Graphics Test 2 32.3 fps
Physics Test 19.09 fps

SSD・ADATA XM21Eの測定結果

HDD・Western Digital WD10JPVX-22JC3T0の測定結果

最後にゲームのベンチマークを試してみよう。今回動作させたのは、「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」と「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」の2本だ。ディスプレイの最高解像度である1920×1080を活かそうとすると、さすがにゲーム内設定は下げざるを得ない。ゲームプレイ時は画質のオプションを下げるか、解像度を多少落とすと快適なプレイを実現できるだろう。

ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編
設定 スコア 評価
1280×720【標準品質(デスクトップPC)】 4951 快適
1280×720【高品質(デスクトップPC)】 2195 普通
1920×1080【標準品質(デスクトップPC)】 2470 普通
1920×1080【高品質(デスクトップPC)】 1064 設定変更が必要
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.10
設定 スコア 評価
1280×720【低品質】 7542 とても快適
1280×720【標準品質】 6506 快適
1920×1080【低品質】 4574 普通
1920×1080【標準品質】 3733 普通

なお動作中の消費電力をワットチェッカーで計測したところ、Windows 8.1のアイドル時35W、3DMark動作時の最大値は83Wとなった。液晶ディスプレイの消費電力を含んでいることを考えると、デスクトップPCよりもはるかに低い。大型ノートPCと同程度と考えておくといいだろう。

消費電力の調査結果
最小【Windows 8.1 アイドル時】 35W
最大【3DMARK実行時】 83W

23.6型の大画面を省スペースで利用できる、リビングに最適な一台

ここまで確認した通り、MO-i2400S-SHはハイエンドノートの性能を大画面液晶ディスプレイで利用できるようにした製品だ。スペックはデスクトップPCほど高いわけではなく、ノートPCのように気軽に持ち運びできるわけでもない。見方によっては中途半端な存在でもある。しかし、"テレビを置く程度の奥行きしかないスペースに、できるだけ大きな画面のPCが欲しい"というリビングにありがちなニーズに応える製品は、実はこのタイプしかないともいえる。加えて本機はタッチパネルに対応しているため、マウスやキーボードなしでも操作が可能。HDMI入出力も備えており、大画面テレビとは別にリビングに設置すれば、みんなの共有PC/ディスプレイとして活躍してくれるはずだ。ボーナスで懐が暖かい今、家族のためのPCを一台確保しておきたいという方にオススメしたい。

標準スペック

メーカー マウスコンピューター
型番 MO-i2400S-SH
CPU インテル Core i7 4700HQ
メモリ 8GB PC3-12800 DDR3 SODIMM
SSD 128GB
HDD 1TB SerialATAII
チップセット インテル HM87 Express
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
グラフィックス インテル HD グラフィックス 4600
OS Windows 8.1 Update 64ビット
LAN ギガビット(10/100/1000)LAN
インタフェース USB 3.0×3(背面×3)、USB 2.0×2(左側面×2)
サイズ W583.3×D33.0×H424.6mm
ディスプレイ 23.6型フルHDグレア液晶
価格 139,800円(税別)

上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。

価格・構成については、2014/7/18(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。