液晶ディスプレイと同じ設置面積で利用できる一体型PC

マウスコンピューターでは、ミドルタワーPCやノートPC、タブレットPCなど、ユーザーのニーズに合わせ、多数の製品ラインナップを取りそろえている。そこに、新たな一体型PC「m-One」シリーズが登場した。デスクトップPCのようにPC本体を設置する必要がなく、ノートPCよりも大きなディスプレイを利用できるという製品だ。その立ち位置ゆえ長所も短所も兼ね備えた製品だが、一定以上のディスプレイサイズと省設置スペースの両立を目指すなら、最適解であることは疑いようがない。

23.6型のオールインワンPC「MO-i2400S-SH」

しかも同シリーズの「MO-i2400S-SH」は、10点マルチタッチに対応した液晶ディスプレイを備えており、マウスのようなポインティングデバイスを別途用意せずとも、タッチやスワイプ、ピンチなどでWindowsを操作することができる。家庭においてはリビングなどで、仕事においてはインフォメーションとして活躍が期待できそうだ。今回はそんな「MO-i2400S-SH」の実機をお借りすることができたので、その特徴を探っていきたい。

45度まで傾けることができるフォトスタンド型の筐体

MO-i2400S-SHは、23.6型の光沢液晶ディスプレイにモバイル向けCPUを搭載することで、薄型化を実現した一体型PC。フルHD(1920×1080)の解像度と10点マルチタッチを活かし、Windows 8.1のモダンUIを指先だけで快適に扱うことが可能だ。ディスプレイ周辺がブラック、下部と背面がシルバーの2トーンでまとめられており、一見するとテレビのようなデザインを採用している。本体は底面に備えられたゴム足と背面のスタンドを利用して、デスクにフォトスタンドのように設置可能。スタンドは90度可動するので、本体の傾斜角を45度まで調整可能だ。

本体背面はシルバーで統一。本体をしっかり支える直置きスタンドを備えている。スタンドは根元のネジを外すことで取り外しも可能

本体底部とスタンドには、滑り止め用のゴム足が用意されており、デスクにしっかりと設置可能。スタンドは90度まで可動する

本体サイズはW583.3×D33.0×H424.6mm。本機の特徴は、この薄さによる設置の自由度の高さと大画面にこそあるといえる。液晶ディスプレイの中央上部には200万画素のWebカメラを、ディスプレイ下部の左右にはステレオスピーカーを内蔵。マイクも備えており、別途カメラやヘッドセットを接続せずともビデオチャットなどを楽しめる。

液晶ディスプレイの上部には、Webカメラや内蔵マイクなどが搭載されており、すぐにビデオチャットなどを楽しめる

液晶ディスプレイの下部左右にはステレオスピーカーを内蔵。別途外付けスピーカーを用意することなく音声を再生可能だ

HDMI入出力端子を備え、柔軟な運用が可能

本体背面には、電源アダプタの入力端子に加え、USB 3.0端子×3、ギガビットLAN端子、ライン出力端子、マイク入力端子、そしてHDMIの入力端子と出力端子を装備。入力・出力両方のHDMI端子を搭載することによって、本機の活用の幅は大きく広がる。例えば、HDMI INにゲーム機を接続してゲーム用のディスプレイとして使用したり、HDMI OUTに大画面テレビを接続してPCの画面をミラーリング表示させて写真や動画を楽しむといった使い方が可能だ。

本体背面にはUSB 3.0端子やギガビットLAN端子、音声入出力、HDMIの入出力端子が確認できる。USB 3.0の速度を活かすなら、ハブなどを用意しておくと便利

HDMI INにゲーム機などを接続して、液晶ディスプレイとして使用することも可能。HDMI切替機などを用意すればさらに使い勝手が向上するだろう

操作ボタンは本体左側面に集約されている。一番上のボタンが電源、以下アクセスランプ、ディスプレイ切り替えボタン、ディスプレイ設定ボタンと設定操作用の方向ボタンとなる。その下のくぼみにはSD/MMC/MSに対応したマルチカードリーダーとUSB 2.0端子が用意されているため、デジカメからの写真の取り込みや、USBメモリなどのデバイスを一時的に接続する際に便利だ。右側面には、DVDスーパーマルチドライブを備え、別途光学ドライブを用意しなくてもDVDなどのメディアを扱える。ブルーレイディスクドライブを備えた上位機種「MO-i2400X」もラインナップされているので、動画の読み書きを重視するならそちらも狙い目だ。

電源やアクセスランプ、ディスプレイの設定などのインタフェースは、ディスプレイの左側面に集中して装備されている。カードリーダーやUSB 2.0端子もこの位置

ディスプレイの右側面には、DVDスーパーマルチドライブが内蔵されている。設置時には開閉可能なスペースを確保しておこう

同梱されるキーボードはワイヤレスではなく、ほかのマウスコンピューターのラインナップと同様の有線USB接続タイプの製品となる。もしワイヤレスキーボード・マウスが必要なら、BTOで選択しておくといいだろう。電源アダプタは、本体サイズに比例してW15.6×H4.0×D7.7mm(ゴム足含む)と大きめ。容量も150W・19V/7.9Aと多い。とはいえ、デスクトップと比べるとはるかに省電力で、大型ノートPC相当といったところだ。

同梱されるキーボードとマウスは、有線接続の製品。キーボードは光沢のあるアイソレーションタイプ、マウスは一般的な3ボタンタイプだ

23.6型のマルチタッチ対応ディスプレイとPCを駆動させるため、電源アダプタは大きめだ。購入前にあらかじめ設置場所を考えておくといいだろう

ただ単に液晶ディスプレイにPCをくっつけただけのPCと思いきや、なかなか汎用性が高く、いろいろな使い道が考えられそうだ。次ページでは、本機のスペックを詳しく確認しつつ、ベンチマークテストを試していこう。