ノートと、議論への参加
iTunes Uアプリは、学びたいと願う人々にとって、非常にサービス旺盛だ。前述の通り、学びたいことを選び、適切に並べられた教材を閲覧し、しかもそれらを解説してくれる授業がついてくる。しかしそれだけではない。
iTunes Uアプリには、「メモ」という名前のノート機能がある。講義全体、単元、iBooksの本やビデオ教材などの様々な単位に対してメモをつけることができる。もちろんその講義に対するメモを一覧したり検索することも可能だ。
特に音声やビデオのメモは、再生中にメモボタンをタップして追加でき、時間も記録できる。メモを取った場所に直接振り返ることができれば、ビデオ全体を見る必要がなくなる。ちょうど、本に付箋を挟んだりページの端を折るように、ビデオにも付箋を挟むことができる感覚だ。
こうしたメモは、メールで共有することができる。例えば一緒に授業を受けている友人に送って教えることもできるし、課題として「ビデオの中で印象に残った箇所をメールで提出しなさい」という応用も可能だ。
iTunes Uにはその講義やトピックに関して議論する機能がついている。オープン型の講義、つまり自由に授業に参加することができるコンテンツの場合、既に学んでいる他の人が投稿した授業に関するコメントや質問、議論の内容を読むことができるのだ。もちろんコースによっては自分でも議論に参加し、先生に質問することができる。
先生にとって、自分の授業に関係ない生徒の質問に対応しなければならないことは、1つの労力ととらえられるかもしれない。しかし質問が集まることは、結果的に授業のわかりにくいところを追加解説する手がかりになったり、その質問によって他の生徒の理解が深まる可能性を秘めており、一概に単なる労力とは言えない。もし授業を作った人がその授業をより良いものにしたいのであれば、オープンな議論とそこから得られるフィードバックを反映することが、最も早い方法かもしれない。