各社の人口カバー率は増える? 減る?

KDDIの算定方法の場合、メッシュ内の60%が圏内だと、カバーしている人口は60%にしかならないが、これが100%に跳ね上がる。逆に40%のエリアが圏内だと、従来は人口カバー率は40%だったが、これが0%になってしまう。

ソフトバンクの場合も、今まで自社基準でカバーとしていたメッシュがエリア外になってしまう可能性がある。逆に、カバー率が100%になるメッシュが出てくるため、KDDIと似たような傾向だろう。

ドコモの場合は、市区町村役場が基準だったため、500mメッシュで区切ると圏外となる場所が多くなる可能性がある。市区町村役場以外で使えなくても、基準上はエリアとして算出できたからだ。

今回の改訂で、最も影響を受けるのはドコモだろう。ただ、影響を受けるのは「カバー率が低い場合」に限られるはずだ。どの基準でも、一定の割合を超えると国土の大部分をカバーすることになり、結局のところ数値は変わらないという結果になる。ドコモは新基準に向けてエリアの算出に向けて準備を始めているということで、現時点で人口カバー率の数字が変化するかどうかは明らかになっていない。

KDDIは、800MHz帯が99%、2.1GHz帯が85%という旧基準での実人口カバー率は、新基準でも変わらないとしている。前述の通り、人口カバー率が増えるメッシュと減るメッシュがあり、総合するとわずかに割合が増える、という。

ソフトバンクは、最近は「人口カバー率」という宣伝文句を使っていない。「SoftBank 4G LTE」サービスで「実人口カバー率92%」という表現があるが、これも2013年6月末時点。最近のデータはないため、新基準でカバー率が増減するかどうかの数字もないという。もともとの基準がKDDIに近いためそう大きな影響はないとみられるが、元のデータがないため何とも言いようがない。今後、人口カバー率を公表する際は新基準にのっとって算定する方針だが、最新の人口カバー率を現時点で発表する予定はないそうだ。